局所進行性の膀胱癌に対し、新規のパクリタキセル製剤であるABI-007カルボプラチンゲムシタビンを併用するネオアジュバント化学療法は、病理学的完全奏効率(pCR)は他の併用療法と比べてやや低かったが、筋層浸潤の残存については良好な結果が示された。フェーズ2試験から明らかになったもので、2月17日から19日にかけて米国オーランドで開催された2011 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米国University of MichiganのD. C. Smith氏が発表した。

 膀胱癌患者の多くはシスプラチンを含む化学療法の対象にならない。しかし、膀胱尿路上皮癌に対し、タキサン系抗癌剤のパクリタキセルを含むレジメンのpCRは32%であったことが報告されている。

 ABI-007は、アルブミンにパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤。従来のパクリタキセル製剤と比べて活性が高く、毒性が低くなるよう開発された。国内では乳癌を対象に、アブラキサンの商品名で販売されている。

 Smith氏らは、筋層浸潤性の膀胱尿路上皮癌患者を対象として、ABI-007、カルボプラチン、ゲムシタビンの併用をネオアジュバント化学療法として実施し、その効果を評価する非盲検のフェーズ2試験を実施した。主要評価項目は、併用療法を3サイクル施行した後のpCRとした。

 対象は、T2〜4でN0かつM0、またはTは問わずN1〜3かつM0で、ECOG PSが0〜1、骨髄・肝・腎機能に顕著な障害を認めないこととした。

 ABI-007は260mg/m2の用量でカルボプラチン(目標AUC=5)とともに1日目に、ゲムシタビン800mg/m2を1日目と8日目に静脈内投与し、3サイクル施行後に根治的膀胱摘除術を施行した。

 現在までに27人(うち男性21人、年齢中央値66歳)が登録され、臨床病期はT2N0が18人、T2N1が1人、T2N2が1人、T3N0が5人、T4N0が2人であった。

 25人が3サイクルの併用化学療法を受けた。

 奏効の評価が可能だったのは22人だった。3サイクルの治療を施行後にpCRが得られたのは6人(27%)で、他の併用療法と比べてやや低かった。しかし、筋層浸潤の残存については他の併用療法と比べて良好な結果が示された。5人はpCIS、1人はpT1が残存するのみとなり、22人中12人(54%)で筋層浸潤の残存を認めない結果が得られた。

 毒性の評価は全例で可能であった。一過性のグレード3または4の好中球減少は全例に発現し、17人がG-CSFの投与を受けたが、2人に有熱性の好中球減少が発現した。その他の頻度が高かった有害事象は、脱毛、末梢神経障害であった。