ホルモン療法未施行の転移性前立腺癌に対し、標準治療であるアンドロゲン遮断療法(ADT)にドセタキセルの3週間毎の投与を併用すると、ADTのみと比較してPSA奏効は有意に改善し、PSA上昇は6カ月時に有意に低下することが、フェーズ3の多施設共同試験(GETUG-AFU 15/0403)から明らかになった。2011 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、フランスInstitut Paoli CalmettesのG. Gravis氏が発表した。

 Gravis氏らは、ホルモン療法未施行の転移性前立腺癌患者を対象として、ADTとドセタキセルを併用する群と、ADTのみを行う群を比較した。

 この試験の主要評価項目は36カ月時の全生存期間(OS)で、生存解析は今後行われる。Gravis氏は「生存解析には長期的な追跡が必要」とし、今回は両群のPSA奏効とPSAの上昇を比較した結果が発表された。

 対象は転移に対する化学療法を行っておらず、ADTを行っている場合は期間が60日未満である患者。2004年10月から2008年12月までに385人が登録され、併用群に192人、ADTのみの群に193人を無作為に割り付けた。ベースラインのPSAは、中央値で併用群27ng/mL、ADTのみの群26ng/mLであった。その他の患者背景に両群で差はなかった。

 ADTは黄体形成ホルモン放出ホルモンLHRH)アゴニストの投与または精巣摘除術などで行った。併用群ではドセタキセル75mg/m2を3週毎に9サイクル投与し、プレドニゾンも併せて投与した。

 その結果、30%を超えるPSA奏効は、3カ月時は併用群91%、ADTのみの群80%で、有意差がみられた(p=0.008)。6カ月時はそれぞれ95%と86%で、やはり有意差がみられた(p=0.01)。

 一方、25%以上のPSA上昇は、3カ月時は併用群3%、ADTのみの群8%で、有意差はなかったが併用群で低く(p=0.08)、6カ月時はそれぞれ1%と10%となり、有意差がみられた(p=0.002)。

 また、12カ月時の併用群のGlobal-QOLのスコアは、ADTのみの群と同等であったことも報告された。

 安全性解析の対象373人中、血液毒性は併用群のみに発現し、好中球減少(32%)、有熱性の好中球減少(7%)などだった。敗血症による死亡を1%に認めた。非血液毒性は両群に発現し、グレード3または4の有害事象は併用群では疲労感(7%)、爪の変化(3%)などで、ADTのみの群では疲労感(1%)のみであった。