ゴナドトロピン放出ホルモン(Gonadotropin Releasing Hormone; GnRH)アンタゴニストであるデガレリクスは日本人の前立腺癌に対しても有効で、安全に投与できることが明らかとなった。国内で実施されたフェーズ2試験の結果、示されたもので、2月17日から19日にオーランドで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で浜松医科大学泌尿器科教授の大園誠一郎氏によって発表された。
 
 フェーズ2試験は、前立腺癌患者(全ステージ)を対象にデガレリクスを最初の月は240mg投与し、毎月メインテナンス療法として80mg投与する群(240/80群、136人)と最初の月は240mg投与し、毎月メインテナンス療法として160mg投与する群(240/160群、137人)に分けて行った。投薬は1年間行われた。

 その結果、試験を完了または28日目以降に血清中テストステロン濃度が0.5ng/mLを超えた患者を評価対象(240/80群110人、240/160群105人)として、28日目から364日目まで血清中テストステロン濃度が0.5ng/mL以下だった患者の割合は240/80群が94.5%(95%信頼区間:88.5-98.0)、240/160群が95.2%(95%信頼区間:89.2-98.4)だった。3日目で血清中テストステロン濃度が0.5ng/mL以下だった患者の割合は240/80群が99.3%、240/160群が98.5%だった。PSAが抑制できなかった患者は240/80群が7.4%、240/160群が7.3%にとどまった。

 RECIST基準による抗腫瘍効果は240/80群が71.4%、240/160群が72.7%だった。前立腺癌取扱い規約による抗腫瘍効果の評価では、28日目で効果が認められたのは240/80群が77.4%、240/160群が80.9%、84日目で効果が認められたのは240/80群が90.8%、240/160群が90.5%だった。

 治療に関連した副作用は240/80群が94.1%、240/160群が94.9%で、最も多かったのは注射部位反応(両群合わせて48.0%)だった。そのほかに見られたのはほてり(27.8%)、鼻咽頭炎(27.1%)、体重上昇(15.8%)、発熱(13.6%)で、報告された副作用のほとんどが軽度か中等度のものだった。重篤な副作用は240/80群で16人、240/160群で17人に認められた。