前立腺癌に対して行われるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術RALP)のラーニングカーブは、他の手術と比べて「短い」とされることが多い。しかし、断端陽性率(PSM)を最小にし、手術時間を最短にして、患者の転帰を最適なものとするためには、多くの手術経験が必要と考えられる結果がレトロスペクティブなコホート研究から示された。2月17日から19日にかけて米国オーランドで開催されている2011 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米国Weill Medical College of Cornell UniversityのPrasanna Sooriakumaran氏が発表した。

 RALPのラーニングカーブは、他の手術と比べて「短い」と表現されることが多い。この点について、安全性に関しては明らかであるが、PSMや手術時間については明確にされていない。

 Sooriakumaran氏らはこれらのパラメータについて、RALPのラーニングカーブをコホート研究でレトロスペクティブに評価した。

 対象は、2003年1月から2009年9月までに、スウェーデンと米国の3施設で3人の術者によりRALPが行われた前立腺癌患者3794人。

 各術者が50件のRALPを行うごとにPSMと手術時間の平均を算出し、これらの平均値に対するラーニングカーブについては、局所回帰(LOESS)法を用いて適合させた。

 その結果、全患者に対するPSMのラーニングカーブは手術件数が蓄積されるほど改善し、1600件に達した後にPSMは10%未満となった。pT3の患者に限定すると、ラーニングカーブは1000〜1500件に達した後にプラトーに到達した。

 平均手術時間は750件に達した後にプラトーに到達し、その後、経験の蓄積に伴い再度上昇傾向を示した。

 今回の結果から、Sooriakumaran氏は「患者の転帰を最適なものにするために、RALPは手術経験が豊富な外科医が行う必要があることが示唆された」と結論した。