根治的放射線療法を施行後にPSA再発を認めた前立腺癌患者に対し、間歇的アンドロゲン抑制療法(IAS)を行った患者の全生存期間(OS)は、持続的アンドロゲン遮断療法(CAD)を行った患者と比べて非劣性であることが、カナダ・米国・英国のフェーズ3のインターグループ試験で示された。この成果は、2月17日から19日にかけて米国オーランドで開催されている2011 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、カナダSunnybrook Health Science CentreのLaurence Klotz氏が発表した。

 これまでの試験では、根治的放射線療法を施行後にPSA再発を認めた患者において、IASによるQOLの改善は示されたが、生存に対する有効性の非劣性は明らかにされていなかった。

 Klotz氏らは、NCIC CTG PR.7、SWOG JPR.7、CTSU JPR.7、UK International Trial CRUKE/01/013のインターグループ試験でIASとCADを比較し、OSに関するIASの有効性を検討した。主要評価項目はOS、副次的評価項目はQOL、去勢抵抗性となるまでの時間などとした。

 対象は、局所限局性の前立腺癌で、初回の根治的放射線療法、または根治的前立腺全摘除術後に放射線療法を施行し1年以上経過した、PSA>3.0ng/mL、血清テストステロン>5nmol/Lの患者。

 1999年1月〜2005年10月に1386人が登録された。IAS群に690人(年齢中央値74.2歳)、CAD群に696人(同74.4歳)が無作為に割り付けられ、両群の登録時の患者背景は同様であった。

 患者のPSAとテストステロンを2カ月ごとに検査し、治療中止中にPSAが10ng/mLを超えた場合はIASを再開、各サイクルで、抗アンドロゲン剤の投与と、CAD群では継続投与する黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストの8カ月間の投与を行った。臨床的な進行を認めた場合や、治療中止後2カ月以内にPSA>10ng/mLとなった場合はCADに切り替えた。

 IAS群の患者が抗アンドロゲン剤の投与を受けた期間は3.5カ月(中央値)、LHRHの投与を受けた期間は15.4カ月(中央値)であった。CAD群ではそれぞれ2.9カ月と43.9カ月であった。IAS群の治療中止期間の中央値は37.6カ月となった。観察期間の中央値は6.9カ月であった。

 OSはIAS群8.8カ年、CAD群9.1年となり、ハザード比(HR)は1.02(95%CI=0.86〜1.21)だった。ハザード比の非劣性が検証された(p=0.009)。
 
 一方、去勢抵抗性となるまでの時間は、IAS群9.8年、CAD群10.0年でHR=0.80(p=0.024)で有意差を認めた。この点についてKlotz氏は、試験デザインからIAS群にバイアスがかかった可能性を示唆した。

 7年間の死因別死亡をみると、疾患に関連する死亡はIAS群がCAD群よりも9%多く、疾患に関連しない死亡はCAD群がIAS群よりも8%多かったが、有意差はなかった。

 有害事象では、顔面潮紅がIAS群で有意に減少したが、その他に両群で差はなかった。

 これらの結果から、Klotz氏は「根治的放射線療法を施行後にPSA再発を認めた前立腺の多くの患者に対し、IASは標準治療であるべきと考える」と述べた。