近畿大学泌尿器科の野澤昌弘氏

 ファーストラインとしてサイトカイン療法、セカンドラインとしてチロシンキナーゼ阻害剤(ソラフェニブ、アキシチニブ)を受けた転移性腎細胞癌患者でも全身状態が良ければ、サードラインとしてスニチニブを投与することで、中央値で約11カ月の全生存期間(OS)が得られることが日本の臨床例から明らかとなった。成果は3月5日から7日まで米サンフランシスコで開催された2010 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2010)で近畿大学泌尿器科の野澤昌弘氏が発表した。

 ファーストラインとしてサイトカイン療法、セカンドラインとしてスニチニブ以外のチロシンキナーゼ阻害剤の投与を受け、サードラインとしてスニチニブの投与を受けた転移性腎細胞癌患者で1日当たり50mgのスニチニブを4週間投与、2週間休薬のスケジュールで投与された15人の患者の結果を解析した。ファーストラインとしてインターフェロン(IFN)投与された患者が8人、インターロイキン2(IL-2)を投与された患者が1人、IFNとIL2の両方の投与を受けた患者が6人だった。セカンドラインとしては、ソラフェニブを受けた患者が10人、アキシチニブを受けた患者が5人だった。15人中PS0または1の患者が12人を占めた。

 スニチニブの抗腫瘍効果は、部分奏効(PR)はなく安定状態が10人(67%)だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は7.4カ月で、OS中央値は11.3カ月だった。

 有害事象は日本人を対象にファーストライン、セカンドラインとしてスニチニブを投与した試験で見られたものと同様で、欧米に比べて、好中球減少、血小板減少の割合が高かった。グレード3以上の好中球減少が47%、血小板減少が40%の患者で認められた。

 野澤氏は「これだけの前治療を受けた患者でもスニチニブを投与することで、11カ月以上の生存が得られる意義は大きい」と語った。