ドイツCharite-University Medicine BerlinのS.Weikert氏

 チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による投与後の転移性腎細胞癌患者に、連続してmTOR阻害剤のテムシロリムスを投与することは、有効かつ安全であることが報告された。ドイツの5施設における臨床例のレトロスペクティブな解析の結果、示された。成果は3月5日から7日まで米サンフランシスコで開催された2010 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2010)でドイツCharite-University Medicine BerlinのS.Weikert氏(写真)によって発表された。

 解析は、TKI治療投与後に引き続きテムシロリムスの投与を受けた転移性腎細胞癌患者症例29人(うち男性18人)を対象に行われた。患者の年齢中央値は66歳(39-78)。すべての患者が少なくとも1種類のTKIによる治療の経験があった(スニチニブ6人、ソラフェニブ1人、両方22人)。既に受けた他の治療には、ファーストラインとしてサイトカイン(41%)、セカンドラインとしてエベロリムス(7%)、ファーストラインとしてベバシズマブ(3%)を投与した例が含まれていた。80%以上の患者に、2種類以上の前治療歴があった。すべての患者に週当たり25mgのテムスロリムスが投与されていた。

 解析の結果、無増悪生存期間中央値は5.1カ月(1-10.4)、全生存期間中央値は18.0カ月(12.6-23.3)だった。部分奏効(PR)が1人の患者で、安定状態(SD)が15人の患者で認められ、クリニカルベネフィット率は55%となった。PR、SDとなった患者は、診断からファーストライン治療までの時間の中央値は51カ月で、3個以上の転移があった患者が8人、肝転移があった患者は4人だったのに対して、病状進行(PD)、評価不能(NE)であった13人では、ファーストライン治療までの時間の中央値は17カ月で、3個以上の転移があった患者が10人、肝転移があった患者は9人と統計学的に有意な差があった。

 90%の患者で副作用が観察されたが、グレード1の副作用が4人(14%)、グレード2が12人(41%)だった。グレード3/4の副作用は、貧血(4人)、白血球減少症/好中球減少症(2人)、高血糖(1人)、酸血症(1人)、アルカローシス(1人)、肺炎(1人)、感染/肺炎(1人)で、ほとんどが管理可能だった。グレード3の肺炎を起こした患者1人のみがテムシロリムスの投与が中止された。