浜松医科大学泌尿器科准教授の麦谷荘一氏

 経口マルチキナーゼ阻害剤で腎細胞癌治療薬のスニチニブの投与によって、日本人患者の全生存期間(OS)が2.5年を超えることが報告された。日本で行われた多施設フェーズ2試験の最終結果で明らかになった。この試験にはファーストラインとしてスニチニブを投与した患者とセカンドライン(サイトカインの投薬を受けたことのある患者)としてスニチニブを投与した患者が含まれ、どちらの患者でもOS中央値は32カ月を超え、スニチニブの高い効果を示した。日本においても期待の高い薬剤であることが証明されたと言えるだろう。

 成果は3月5日から7日まで米サンフランシスコで開催された2010 Genitourinary Cancers SymposiumASCO GU2010)で浜松医科大学泌尿器科准教授の麦谷荘一氏(写真)によって発表された。

 フェーズ2試験は淡明細胞型の転移性腎細胞癌患者51人(未治療25人、既治療26人)を対象に、スニチニブの1日1回50mg投与を4週間行い、2週間休薬するスケジュールで行われた。治療サイクル数中央値はファーストラインの患者で6.0サイクル、セカンドラインの患者で9.5サイクルだった。

 試験の結果、OS中央値はファーストラインとして投与された患者群で33.1カ月(95%信頼区間;14.8-未到達)、セカンドラインとして投与された患者群で32.5カ月(95%信頼区間;19.8-未到達)だった。無増悪生存期間(PFS)中央値はファーストラインとして投与された患者群で12.2カ月(95%信頼区間;7.8-48.8)、セカンドラインとして投与された患者群で10.6カ月(95%信頼区間;6.6-24.2)だった。奏効率は、ファーストライン群が52.0%(95%信頼区間;31.3-72.2)、セカンドライン群が53.8%(95%信頼区間;33.4-73.4)だった。全体の奏効率は、52.9%(95%信頼区間;38.5-67.1)だった。患者のバックグラウウンドが違うため、直接比較はできないが、ファーストラインの場合、OS中央値は欧米で報告された結果よりも約7カ月、PFS中央値は約1カ月、奏効率は約5ポイント良かった。

 治療に関連したグレード3/4の副作用で頻度が高かったのは倦怠感(ファーストライン16%、セカンドライン31%)、手足症候群(ファーストライン16%、セカンドライン19%)、血小板減少(ファーストライン56%、セカンドライン54%)、好中球減少(ファーストライン44%、セカンドライン62%)、リパーゼ上昇(ファーストライン32%、セカンドライン65%)などだった。46人の患者で投与量の減少または中断が行われ、13人の患者で投与が中止された。副作用は血小板減少など血液学的副作用が欧米と比べて多い結果となった。