米University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのJose A. Karam氏

 早期膀胱癌患者の再発をモニタリングする上で膀胱鏡検査は最も費用対効果が高い方法である――。この知見は、3月5日から7日まで米国サンフランシスコで開催された2010 Genitoirinary Cancers Symposium(ASCO GU2010)で、米University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのJose A. Karam氏が発表したもの。

 非筋層浸潤膀胱癌(NMIBC)の患者では、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発のリスクが高いため生涯を通し観察が必要である。そのため、膀胱鏡検査に加えて尿中の癌のバイオマーカーの検査が多く実施されるようになり、費用は上昇している。

 Karam氏らは、膀胱癌を観察する上で、満足な腫瘍検出率を得ることができ、費用を最小限にできるプロトコールを同定することを目的として検討を行った。

 対象はNMIBCの患者200人(年齢中央値66.9歳、男女比27.5%対72.5%)。登録時に全ての患者に膀胱鏡検査、細胞診、尿分析テスト「NMP22BladderChek」、再発性膀胱癌を対象とする遺伝子検査キット「Urovysion」を用いた蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)検査を行った。

 全費用(全例の検査+擬陽性例と陽性例に行われたTURBTの費用)、検出された癌ごとの費用(全費用/陽性例と予測通りに腫瘍があった場合の費用)、検出率(登録時の腫瘍+予測通りにあった腫瘍/全ての腫瘍)について、Medicare2009 reimbursement dataを用いて5つの方法を評価した。

 5つの方法とは、(1)膀胱鏡検査、(2)膀胱鏡検査と尿中核マトリックスプロテイン22(NMP22)、(3)膀胱鏡検査とFISH、(4)膀胱鏡検査と細胞診、(5)膀胱鏡検査とNMP22陽性例に対するFISHによる確認、である。

 登録時に13人に新たな癌が認められた。登録時には(1)の膀胱鏡検査の偽陽性は2人と少なかったが、(3)の膀胱鏡検査+FISHの偽陽性は30人に上った。

 最初のフォローアップ(登録からの期間の中央値4.1カ月)で12人に新たな癌が認められた。予測通りに腫瘍があったのは(1)は0人、(3)は5人だった。予測通りに腫瘍がなかったのは(1)は2人、(3)は18人に上った。

 検出された癌ごとに要する費用は、(1)が最も低く7692ドル(約68万円)だった。次いで(2)が1143ドル(約98万円)、(3)が19111ドル(約168万円)、(4)が10267ドル(約90万円)、(5)は9557ドル(約84万円)だった。

 各方法の検出率は、(1)52%、(2)56%、(3)72%、(4)60%、(5)56%となった。

 Karam氏は「膀胱鏡検査単独の厳密なスクリーニングは、NMIBCの再発を検出する上で最も費用対効果が高い方法である。膀胱鏡検査に尿中のマーカー検査を加えても、浸潤癌の検出の改善にはつながらないため、慎重に尿中マーカー検査を行うべきである」と指摘した。今後、多施設の前向き試験が計画されているという。