米Cleveland ClinicのRobert Dreicer氏

 転移性の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するフェーズ1試験において、新しい非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬TAK-700を300mg以上、1日2回投与した場合の忍容性は良好で、予備的なデータで有効である可能性も示された。成果は、3月5日から7日まで米サンフランシスコで開催された2010 Genitourinary Cancers SymposiumASCO GU2010)で、米Cleveland ClinicのRobert Dreicer氏(写真)が発表した。

 TAK-700は、武田薬品工業の100%子会社の米Millennium Pharmaceuticals社が開発した、非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬。チトクロームP450の一種で、男性ホルモンの合成に重要な17,20リアーゼに強力に結合し、その作用を阻害して抗腫瘍効果を示す。

 TAK-700のフェーズ1/2試験では、主要な目的として転移性のCRPC患者に対するTAK-700の1日2回経口投与の安全性と忍容性が、副次的な目的として前立腺特異抗原(PSA)奏効などの有効性の評価、薬物動態および薬力学が検討されている。

 今回はフェーズ1試験の結果が報告された。対象は、精巣摘除術を施行したか、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログ治療中の転移性CRPC患者(26人、年齢中央値70歳)。PSAの中央値は57.4ng/ml、グリーソンスコアの中央値は7.0だった。

 対象にTAK-700を5段階の用量、すなわち100、200、300mgを各3人、400mgを6人、600mgを5人にそれぞれ1日2回投与した。さらに別の6人にはTAK-700を400mgとプレドニゾン5mgを併用で1日2回投与した。

 その結果、フェーズ1試験では、グレード3以上の有害事象やグレード2以上の心事象などを含む用量制限毒性(DLT)は出現しなかった。

 治療サイクルの中央値は4サイクル(範囲;1〜18)で、15人は放射線学的またはPSAに進行を認めるなどの理由で治療を中止し、11人が治療を継続した。

 安全性については対象の92%に薬剤関連性の有害事象を認め、多かったのは疲労感65%、嘔気42%、便秘38%などであった。グレード3以上の有害事象は54%に認め、23%は重篤な有害事象で、高血圧、高血圧クリーゼ、疲労感などがこれに含まれた。

 薬物動態をみると、TAK-700の100〜600mgの1日2回の投与で、最高血中濃度(Cmax)と服用8時間までの濃度時間曲線下面積(AUC)の値は、ほぼ用量比例的な上昇を示した。

 薬理学的には、デヒドロエピアンドロゲンの値は、TAK-700を300mg以上、1日2回投与した患者全員で定量可能な値を下回った。また、TAK-700を300mg以上、1日2回投与した患者全員で、テストステロンの値が1ng/dlを下回った。

 さらに予備的な有効性のデータとして、TAK-700を300mg以上投与した患者全員でPSAの低下を認め、TAK-700を300mg以上、3サイクル以上投与した15人中、3カ月目に12人(80%)にPSAの50%以上の低下を認め、そのうち4人は90%以上の低下を示した。

 現在、フェーズ2試験が続行中であり、TAK-700の300mg以上、1日2回投与の安全性と有効性、プレドニゾンの同時投与の必要性について、詳細に評価される予定だ。