カナダCross Cancer InstituteのDavid G. McGowan氏

 ホルモン療法放射線治療を組み合わせる治療は、早期ステージで中間リスクの前立腺癌患者の生存を改善し、再発を減らす可能性があることが報告された。Radiation Therapy Oncology Groupが行ったフェーズ3試験の結果、明らかとなった。短期間のホルモン療法を行った後、中等度の放射線治療(66.6Gy)を行うことで、同じ放射線治療のみを受けた患者に比べて、生存を延長し再発を減らすことができた。しかし、短期間のホルモン療法の追加による効果は、早期患者の低リスク患者では認められなかった。

 成果は3月5日から7日まで米サンフランシスコで開催された2010 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2010)で、カナダCross Cancer InstituteのDavid G. McGowan氏(写真)によって発表された。

 ホルモン療法は進行前立腺癌で癌の増殖を鈍化させることに使用されているが、早期の患者に利用することは研究段階にあるという。

 発表されたフェーズ3試験は、1994年10月から2001年4月までに登録された局所進行の前立腺癌患者でPSA(前立腺特異抗原)値が20ng/mL以下の患者を2群に分けて行われた。放射線治療を受ける2カ月前までに、4カ月間ホルモン療法(ゴセレリンを毎月3.6mgかロイプロリド毎月7.5mgを投与)を行った987人(ホルモン療法併用群)と放射線治療のみを受けた患者992人(放射線治療のみ群)の結果を比較したもの。

 観察期間中央値がホルモン療法併用群が9.1年、放射線治療のみ群が9.2年で、10年時点での生存率はホルモン療法併用群で62%だったのに対しホルモン療法のみ群では57%だった。生存率の改善は、中間リスク群(1068人、グリーソンスコアが7、またはグリーソンスコアが6以下だがPSA値が10ng/mLから20ng/mLか、臨床病期がT2b期の患者)では、8年全生存率がホルモン療法併用群72%、放射線治療のみ群68%で、併用群の方がより顕著だった。一方、低リスクの患者(685人)ではホルモン療法の追加による効果は認められなかった。

 観察期間の2年間で843人(439人がホルモン療法併用群)の患者が繰り返し、前立腺のバイオプシーを受けた。ホルモン併用群の患者ではバイオプシーで癌が見つからなかったのは78%だったが、放射線治療のみ群では60%にとどまった。

 研究グループは、放射線技術の最近の進歩により、今回の試験の対象になった早期で中間リスクの前立腺癌患者により高線量の放射線治療を行うことが可能となっているため、さらに高線量の放射線治療にホルモン療法を組み合わせることの意義を調べる新しい試験(RTOG 0815)を最近開始したという。