III期の大腸癌において、代謝反応を用いて1サイクルの術前化学療法に対する感受性を評価し、術後化学療法の有用性を予測する治療戦略は、過度の毒性、手術の延期および予想外の術後合併症を引き起こさず、実現可能であることがわかった。この結果は、現在も進行中のPePiTA試験の中間解析から示された。1月16日から18日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancer Symposium(ASCO-GI)で、ベルギーInstitut Jules BordetのAlain Hendlisz氏が発表した。

 術後化学療法はIII期の大腸癌患者の転帰を改善するが、全例に有効なわけではない。

 Hendlisz氏らはPePiTA試験において、術前化学療法を1サイクル施行後に原発腫瘍の代謝反応が欠乏していると、術後化学療法で有用性(3年時の無病生存期間[DFS])が得られないことが予測されると仮定した。

 PePiTA試験の対象は、II-III期の大腸癌で治癒的切除が適格と考えられる、18歳以上、ECOG PSが1以下の患者だった。FDG-PETは、ベースライン、および術前化学療法としてFOLFOXを1サイクル行った後(13-15日目)に撮影し、その後手術を施行した。術後の治療は、II期の患者では主治医の判断とし、III期の患者ではFOLFOXを施行した。主要評価項目は、FDG-PETのレスポンダーとノンレスポンダーの3年時のDFSの比較だった。

 今回は中間解析から、安全性と代謝反応の評価の実現可能性について報告された。

 2010年から2013年までにベルギーの15施設から114人が登録された。対象の年齢中央値は66歳、男性が55%、ECOG PS 0の患者が92%を占めた。診断から組み入れまでの期間の中央値は13日(範囲:2-42)だった。

 術前化学療法を受け、安全性の評価が可能だった患者は103人だった。術前化学療法の有害事象として、グレード3または4の好中球減少が5%、グレード3の下痢が1%、グレード3の高カリウム血症が1%、腹膜炎が1%、グレード3の血栓塞栓症が1%に発現した。

 103人が手術を受け、このうち32人(31%)には結腸右半切除術、69人(67%)には結腸左半切除術が行われた。術前化学療法から手術までは中央値で20日(四分位範囲:18-21)だった。病理学的病期の分布は、0期が1人(1%)、I期が13人(13%)、II期が34人(33%)、III期が48人(47%)、IV期が7人(7%)となり、リンパ節のdownstagingは認めなかった。

 術後合併症は9人(9%)に発生し、内訳は吻合部の縫合不全が3人(3%)、イレウスが2人(2%)、瘻孔が1人(1%)、一過性脳虚血発作が1人(1%)、内臓脱出症の可能性が1人(1%)、膀胱の感染症が1人(1%)だった。縫合不全の3人と内臓脱出の可能性がある1人では、再入院と手術が必要だった。死亡例はなかった。

 103人中、代謝反応の評価が可能だった患者は88人で、このうち病理学的病期がIII期未満だったのは43人、III期だったのは41人だった。

 代謝反応の評価では、「<−15% Delta SUVmax」を代謝反応、「>+25% Delta SUVmax」を代謝亢進とした。その結果、完全奏効(CR)は2人(2%)、部分奏功(PR)は52人(59%)となり、奏効率は61%(95%信頼区間:51-71)となった。安定状態(SD)は30人(34%)、進行(PD)は4人(5%)となり、原発腫瘍の39%で化学療法抵抗性の徴候が示された。II期とIII期ではPETの反応に差はなかった(p=0.87)。