大腸癌腹膜播種の患者を対象として、セツキシマブを含む周術期化学療法、減量手術、腹腔内温熱化学療法(HIPEC)による集学的治療を検討する、前向き、多施設共同、非盲検、単群のフェーズ2試験(COMBATAC)の最初の安全性データから、この治療は合併症と毒性の増加を引き起こさない可能性が示された。1月16日から18日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancer Symposium(ASCO-GI)で、ドイツHospital of the Order of St. John of God RegensburgのPompiliu Piso氏が発表した。

 大腸癌腹膜播種で適切に選択された患者に対する減量手術とHIPECは、集学的治療のレジメンの1つで、有望な治療選択肢となると考えられる。選択された患者に行われた場合の5年生存率は、過去のHIPEC、減量手術の報告から、30-40%となると推定される。

 COMBATAC試験では、KRAS野生型の大腸または虫垂の腺癌で、同時性または異時性の腹膜播種を有する患者を対象に、セツキシマブを含む周術期の多種化学療法、減量手術、二方向性のオキサリプラチンベースのHIPECについて、実現可能性、安全性、有効性を検討している。

 術前化学療法として、FOLFOXまたはFOLFIRIとセツキシマブの併用療法を3カ月間行った。セツキシマブは週1回、最大12週まで投与し、初回は400mg/m2、2回目以降は250mg/m2とした。その後減量手術を行い、腹膜播種が肉眼的に完全切除できた場合(complete macroscopic cytoreduction[CC]-0)、または残存腫瘍が2.5mm以下の場合(CC-1)、HIPECを適用することとした。HIPECでは、ダグラス窩(膀胱直腸窩)の温度が40℃に達した時点でオキサリプラチン300mg/m2を加えて潅流させるとともに、5-FU 400mg/m2と葉酸20mg/m2を静脈内投与した。術後化学療法は手術から4-6週後に開始し、FOLFOXまたはFOLFIRIとセツキシマブの併用療法を3カ月間行った。患者の評価は3カ月毎に行い、24カ月間追跡した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)だった。

 同試験では計60人の患者の登録が予定されている。今回は予備的な安全性のデータとして、最初に得られた16人の結果が発表された。合併症および毒性の分類にはCTCAE v4が用いられた。

 有害事象は計51件が報告された。多く観察された有害事象は、下痢13件、発疹10件、多発性神経障害4件、イレウス、疼痛、血栓塞栓症、尿路閉塞の各2件などだった。

 有害事象の分布は、CTCAE v4のグレード1が23件、グレード2が15件、グレード3が12件、グレード4が1件だった。グレード3または4の13件のうち、化学療法に関連したのは3件で、下痢、ざ瘡、血栓塞栓症だった。手術に関連したのは4件で、コンパートメント症候群、腹腔内感染症、肺感染症、心内膜炎だった。残る7件は直接治療に関連しなかった。

 重篤な有害事象は10件だった。治療に関連する、または関連する可能性がある事象は、術前化学療法の施行中に発生したサブイレウス(2件)と肺塞栓症(1件)、術後に発生した心内膜炎と敗血症性脳塞栓症を伴う肺炎とカテーテル(ポート)感染(1件)、コンパートメント症候群(1件)、腹腔内膿瘍(1件)だった。

 CONBATAC試験は現在も患者を登録中で、PFSおよびOSに関するデータはまだ得られていない。