新規のパクリタキセル経口製剤であるDHP107のフェーズ1/2試験から、推奨量(RD)を200mg/m2とした場合の忍容性は良好で、進行胃癌のセカンドライン治療としてパクリタキセルと同等に有効である可能性が示された。1月16日から19日まで米サンフランシスコで開催されているGastrointestinal Cancer Symposium(ASCO-GI)で、韓国Ulsan University College of Medicine、Asan Medical CenterのMin-Hee Ryu氏が発表した。

 DHP107には粘膜付着性の脂質が使用され、Cremophor ELは含まれていない。世界最初のフェーズ1試験では、進行悪性腫瘍の患者に対し安全性と実現可能性が示されている。

 Ryu氏らは、転移を有する固形腫瘍の患者に対するDHP107の推奨量を決定し、進行胃癌患者に対する有効性を判断するため、フェーズ1/2試験を実施した。

 フェーズ1試験では、3+3デザインを用いて増量を検討し、レベルIでは150mg/m2、レベルIIでは200mg/m2、レベルIIIでは250mg/m2をそれぞれ1日2回、4週を1サイクルとして1、8、15日目に投与した。フェーズ2試験では、SimonのOptimal 2段階デザインを用いて、フルオロピリミジンおよびプラチナ製剤を含むファーストライン治療に難治性の進行胃癌患者を対象に、フェーズ1試験の推奨量でDHP107を投与した。

 フェーズ1試験には計17人(年齢中央値55歳、男性10人)が登録され、原発腫瘍は胃癌13人、大腸癌2人、頭頸部癌2人だった。レベルI(3人)およびレベルII(6人)では用量制限毒性(DLT)は観察されなかった。レベルIIIでは4人中2人にDLTが発現し、1人は7日以上持続するグレード4の好中球減少、もう1人は発熱性好中球減少だった。追加したレベルIIa(DHP107を225mg/m2で1日2回投与)では、4人中2人に発熱性好中球減少が発現した。最終的に、DHP107のRDはレベルIIの200mg/m2に決定した。

 薬物動態の解析では、DHP107を200mg/m2で1日2回投与すると、パクリタキセル80mg/m2の静脈内投与とAUC、Cmax、半減期が同様となった。Cremophore ELを含まないパクリタキセル製剤では、パクリタキセルの遊離分画(free fraction)が増加することも併せて考慮すると、DHP107はweeklyパクリタキセルと同等の効果があると予測された。

 フェーズ2試験には進行胃癌患者11人(年齢中央値52歳、男性5人)が登録され、このうち転移を有する患者は7人、再発の患者は4人だった。11人中3人(27.2%)で部分奏効(PR)が確認され、安定状態(SD)は3人(27.3%)だった。

 患者の5%以上に認めたグレード3または4の有害事象は、好中球減少(27.3%)、口内炎(18.2%)、貧血(9.1%)、発熱性好中球減少(9.1%)だった。治療関連死はなかった。

 これらの結果に基づき、韓国では進行胃癌患者を対象として、DHP107とパクリタキセルの静脈内投与を比較するフェーズ3試験(DREAM)が進行中である。