転移を有する胃または胃食道接合部癌に対するセカンドラインとして、抗VEGF受容体2抗体ramucirumabとパクリタキセルの併用投与はパクリタキセル単剤投与よりも有効であることが明らかとなった。日本も含む世界規模で行われた無作為化フェーズ3試験RAINBOWの結果、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が示されたもの。1月16日から18日までサンフランシスコで開催されている2014 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO-GI2014)で、ドイツKliniken Essen Mitte Center of Pallative CareのHansjochen Wilke氏によって発表された。

 RAINBOW試験は、既治療の転移を有するまたは局所進行胃、胃食道接合部癌患者を、パクリタキセル(4週を1サイクルとして80mg/m2を1日目、8日目、15日目)に加えて2週おきにramucirumab 8mg/kgを投与する群(ramucirumab群)とプラセボを投与する群(プラセボ群)に分けて行われた。適格基準はECOG PSが1以下で、適切な臓器機能を有するなどだった。主要評価項目はOS。副次評価項目はPFS、奏効率、増悪までの時間(TTP)と安全性だった。

 2010年12月から2012年9月までに665人が無作為化された(ramucirumab群330人、プラセボ群335人)。両群の患者背景に大きな差はなかった。北米・欧州が398人、中南米が44人、アジアが223人で日本人は140人含まれていた。

 試験の結果、OSのハザード比は0.807(95%信頼区間:0.678-0.962)、p=0.0169で有意にramucirumab群が優れていた。OS中央値はramucirumab群が9.63カ月(95%信頼区間:8.48-10.81)、プラセボ群が7.36カ月(同:6.31-8.38)だった。6カ月OS率はramucirumab群が72%、プラセボ群が57%、12カ月OS率はramucirumab群が40%、プラセボ群が30%だった。サブグループ解析でもほとんどがramucirumab群が優位だった。後治療は化学療法がramucirumab群47.9%、プラセボ群は45.4%だった。

 PFSのハザード比は0.635(95%信頼区間:0.536-0.752)、p<0.0001で有意にramucirumab群が優れていた。PFS中央値はramucirumab群が4.40カ月(95%信頼区間:4.24-5.32)、プラセボ群が2.86カ月(同:2.79-3.02)だった。6カ月PFS率はramucirumab群が36%、プラセボ群が17%、12カ月PFS率はramucirumab群が22%、プラセボ群が10%だった。サブグループ解析でもほとんどがramucirumab群が優位だった。奏効率は、ramucirumab群が28%、プラセボ群が16%(p=0.0001)、疾患制御率はramucirumab群が80%、プラセボ群が64%(p<0.0001)。

 地域別に効果の差を見たところ、アジアではOS中央値はramucirumab群12.1カ月、プラセボ群が10.5カ月でハザード比0.99と有意な差はなかったが、PFS中央値はramucirumab群5.5カ月、プラセボ群2.8カ月、ハザード比0.63、奏効率はramucirumab群33.9%、プラセボ群が24.9%、オッズ比2.24で、有意にramucirumab群が優れていた。

 20%以上に発現し、ramucirumab群に5%以上多く発現した副作用は倦怠感(ramucirumab群56.9%、プラセボ群43.8%)、好中球減少症(54.4%、31.0%)、神経障害(45.9%、36.2%)などだった。グレード3以上の副作用は好中球減少症(ramucirumab群40.7%、プラセボ群18.8%)、白血球減少症(17.4%、6.7%)、高血圧(14.7%、2.7%)、倦怠感(11.9%、5.5%)、腹痛(6.1%、3.3%)などだった。発熱性好中球減少症はramucirumab群の3.1%、プラセボ群2.4%でどちらも少なかった。