今年の第49 回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で、根治治療を受けた頭頸部癌患者の補助化学療法としてS-1の有効性を検討したフェーズ3試験ACTS-HNC試験の結果を、我々のグループを代表して横浜市立大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の田口享秀氏が発表しました。S-1の1年間投与は、UFTに対して主要評価項目である3年無病生存率(3年DFS率)では差はなかったものの、3年全生存率(3年OS率)は有意にS-1群で良好でした。

頭頸部癌に対する術後補助化学療法の意義の確立を目指す

 頭頸部癌の薬物療法の目的は、局所および頸部リンパ節の制御率を向上させ、遠隔転移を減少させることで生存率を向上させる、再発や遠隔転移例の生存率を向上させるということですが、近年、臓器温存率や機能温存率を高め、QOLを向上させることがますます重要となってきています。頭頸部癌は、発声や嚥下、味覚、嗅覚など生活の質に直結する領域であるため、生命予後を延長しつつ、臓器温存、機能温存ができる薬物療法への期待があるのです。

 ステージIII/IVの喉頭、中・下咽頭扁平上皮癌の治療においては、手術とその後の放射線療法、あるいは化学放射線同時併用療法とともに、導入化学療法を行い、完全奏効(CR)が得られれば放射線療法、部分奏効(PR)が得られれば化学放射線同時併用療法など、臓器を温存できる治療の開発が進められ、化学療法が標準治療としてガイドラインでも推奨されるようになりました。

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