今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、転移性腎細胞癌治療の、特にファーストライン治療を選択する上で重要な発表がありました。

 その発表とは、転移性腎細胞癌患者を対象に、ファーストライン治療としてエベロリムスを投与した後、病勢進行(PD)が認められたらスニチニブを投与する群と、スニチニブを最初に投与し、PDが認められたらエベロリムスを投与する群に割り付けて予後を比較したRECORD-3試験の結果です。

 ファーストライン治療をエベロリムスで開始した場合は、スニチニブで開始した場合に比べて予後を改善しなかったというものでした。

 mTOR阻害薬は、日本の実地診療において、MSKCCリスク分類でPoorリスクの症例や、血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ(VEGFR-TKI)治療後のセカンドライン治療、非淡明細胞癌などの症例に投与されていることが多いと思います。実際、腎細胞癌の治療アルゴリズムでは、テムシロリムスはPoorリスク症例に対するファーストライン治療として推奨されています。

 しかし、FavorableやIntermediateリスクで、淡明細胞癌、非淡明細胞癌を問わない患者を対象に、ファーストライン治療としてmTOR阻害薬の有効性を検討した臨床試験は今まで行われていませんでした。そのため、mTOR阻害薬はファーストライン治療で有効なのかどうか、VEGFR-TKIと比べて有効性はどうなのか、といった疑問が残っていました。

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