非扁平上皮非小細胞肺癌(NS-NSCLC)患者を対象に、ペメトレキセド+カルボプラチンによる導入療法後にペメトレキセドによる維持療法を行った群と、パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブによる導入療法後にベバシズマブによる維持療法を行った群を比較した結果、グレード4の有害事象を伴わない無増悪生存期間(PFS)について両群間に有意な差がないことが示された。フェーズ3試験であるPRONOUNCE試験の結果から示されたもので、米国The University of Texas MD Anderson Cancer CenterのRalph Zinner氏らが、6月4日まで米国シカゴで開催された第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で発表した。

 PRONOUNCE試験は、無作為化オープンラベルのフェーズ3試験。未治療NS-NSCLC患者に対するファーストライン治療として、パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブによる導入療法後にベバシズマブによる維持療法を行う群(ベバシズマブ群)に対する、ペメトレキセド+カルボプラチンによる導入療法後にペメトレキセドによる維持療法を行う群(ペメトレキセド群)の優越性を検討したものだ。

 NS-NSCLCを対象に、PRONOUNCE試験に用いた2つの治療レジメンを直接比較した試験はこれまでなかった。ただし、これまでに得られているさまざまな知見から、2つのレジメンの有効性はほぼ同等で、毒性についてはペメトレキセドを用いたレジメンの方が少ないのではないかと示唆されていた。

 そこでPRONOUNCE試験の主要評価項目は、グレード4の有害事象を伴わない無増悪生存期間(G4PFS)とした。副次評価項目は、PFS、OS、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、安全性と忍容性に設定した。

 試験では、361人がランダム化され、ペメトレキセド群は182人、ベバシズマブ群には179人が割り付けられた。このうち、ペメトレキセド群は98人が維持療法に移行し、ベバシズマブ群は95例が移行した。

 両群の患者背景に差はなかった。年齢が65歳、男性割合が57〜58%、禁煙者の割合が90〜96%、ECOG PS 0が46〜49%、肺腺癌が76〜83%だった。

 追跡の結果、主要評価項目のG4PFS中央値は、ペメトレキセド群が3.9カ月、ベバシズマブ群が2.9カ月で有意差はなかった(ハザード比0.85、p=0.176)。

 副次評価項目のPFS中央値は、ペメトレキセド群が4.4カ月、ベバシズマブ群が5.5カ月で有意差はなかった(ハザード比1.06、p=0.610)。

 奏効率は、ペメトレキセド群が23.6%、ベバシズマブ群が27.4%だったほか、DCRはそれぞれ59.9%、57.0%でいずれも有意差はなかった(それぞれp=0.414、p=0.575)。

 グレード3または4の薬剤関連有害事象では、ペメトレキセド群で貧血(ペメトレキセド群19%、ベバシズマブ群5%)、血小板減少症(24%、10%)が有意に多く、ベバシズマブ群では好中球減少症が有意に多かった(25%、49%)。

 患者の生活に影響を与える有害事象の発現率を比べたところ、ベバシズマブ群はペメトレキセド群と比べて、グレード1とグレード2の脱毛症(ペメトレキセド群がそれぞれ5.8%と2.3%、ベバシズマブ群が16.3%と12.0%)、グレード1と2の感覚性神経障害(ペメトレキセド群がそれぞれ7.6%と0.6%、ベバシズマブ群が21.7%と8.4%)の発現率が有意に高かった。

 試験中断後にその他の治療を実施した患者の割合は、ペメトレキセド群が47.3%、ベバシズマブ群が52.5%だった。後治療で使用した薬剤をみると、ペメトレキセド群の26.4%がドセタキセル、ベバシズマブ群の34.1%がペメトレキセドだった。

 これらの結果からZinner氏は、「主要評価項目のG4PFSではペメトレキセドによる維持療法の優越性を示せなかった。毒性プロファイルの違いはあるが、どちらもレジメンも良好な忍容性を示した」とまとめた。