非小細胞肺癌(NSCLC)の2次治療として、血清タンパク質で層別化することにより、エルロチニブと化学療法のどちらが効果的であるかを判別できる可能性が、バイオマーカーを検証した無作為化フェーズ3試験のPROSE試験で明らかになった。5月31日から米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会の年次集会(ASCO 2013)で、イタリアSan Raffaele Scientific InstituteのVanesa Gregorc氏らが発表した。

 エルロチニブなどのEGFR-TKIはEGFR変異を有する患者で効果が高いとする報告があるが、野生型やEGFR変異の状態が不明の場合、他の予測マーカーが必要となる。

 PROSE 試験は、イタリアの14施設で行われた前向き無作為化バイオマーカー検証試験。エルロチニブあるいは化学療法による2次治療を受けたNSCLC患者の予後を予測するため、血清タンパク質検査であるVeriStratの有効性を評価した。

 対象はStage IIIB/IVのNSCLCで、プラチナ系抗癌剤による治療歴のある患者。ECOG-PS、喫煙歴、治療前のVeriStrat分類で層別化し、エベロリムス群と化学療法群に無作為に割りつけた。エベロリムスは150mg/日を連日投与し、化学療法群ではペメトレキセド500mg/m2もしくはドセタキセル75mg/m2を投与した。主要評価項目は全生存期間(OS) で、試験の主要目的としてVeriStrat分類と治療との有意な関連性が検討された。

 285人が登録し、プロトコルの条件を満たした263人(化学療法群129人、エルロチニブ群134 人)について解析した。VeriStrat分類はgood(VSG)とpoor(VSP)に分けられ、化学療法群ではVSGが68%、エルロチニブ群では72%だった。EGFR変異陽性は化学療法群では6%、エルロチニブ群では9%であった。

 解析の結果、OS中央値は化学療法群は9.0カ月、エルロチニブ群は7.7カ月(ハザード比1.14、p=0.313)だった。

 VeriStratで分けると、VSGの患者では、化学療法群のOS中央値は10.92カ月、エルロチニブ群は10.95カ月とほぼ同じであった(ハザード比1.06、95%信頼区間:0.77-1.46:p=0.714)。

 一方、VSPの患者ではそれぞれ6.38カ月、2.98カ月と、エルロチニブに比べて化学療法のほうが良好な結果だった(ハザード比1.72、95%信頼区間:1.08-2.74、p=0.022)。またVeriStrat分類と治療には有意な相関関係が認められた(p=0.031)。

 OSに影響を与える因子の解析では、ECOG PS(2/0-1)とVeriStrat分類(poor/good)が有意な予後因子であった。また交絡因子で調整した結果、VeriStrat分類は化学療法とエルロチニブによる有用性の違いを示す予測因子であることが示された。

 さらに、EGFR変異型を除いて、EGFR野生型とEGFR変異の状態が不明の患者におけるOSは、VSGの患者では、化学療法群で中央値が10.5カ月、エルロチニブ群は10.4カ月(ハザード比1.09、95%信頼区間:0.78-1.52:p=0.616)。VSPの患者ではそれぞれ6.4カ月、3.0カ月だった(ハザード比1.81、95%信頼区間:1.12-2.92、p=0.015)。VeriStrat分類と治療に有意な相関関係も認められた(p=0.024)。

 これらの結果から、「血清タンパク質によるVeriStrat分類は、EGFRステータスが不明もしくは野生型のNSCLC患者において、2次治療の決定に有用である」とした。