骨髄線維症(MF)患者の骨髄の線維化に対するruxolitinib長期投与の影響を48カ月にわたって評価した独Frankfurt大学のHans-Michael Kvasnicka氏らは、この治療が線維化の進行を抑制できること見いだした。データはKvasnicka氏がASCO2013で6月4日に報告した。

 MFは、脾臓の腫脹などの深刻な症状と骨髄の線維化に特徴付けられる疾患で、余命短縮に関係する。ruxolitinibは経口型JAK1/JAK2阻害薬で、MF患者に、脾臓体積の減少、症状軽減、生存期間の延長をもたらすことが示されている。

 今回研究者たちが注目した骨髄の線維化は、骨髄増殖性疾患に2次的に発生する現象と考えられている。標準的な薬物療法のなかに、線維化の程度を改善できるものは見つかっておらず、線維化の進行が臨床面に及ぼす影響は十分に分析されていなかった。

 今回研究者たちは、長期にわたるruxolitinib投与がMF患者の骨髄の形態にもたらす影響を調べた。分析対象になったのは、ruxolitinibに関するオープンラベルでシングルアームのフェーズ1/2試験に参加した158人のうち、 MD Anderson Cancer Centerで登録されたMF患者107人。この試験の組み入れ条件は、原発性骨髄線維症(PMF)、または真性多血症(PV)に続発したMF、もしくは本態性血小板血症(ET)に続発したMFで、治療を必要とする患者のうち、脾臓腫脹があり、予後予測指標であるLilleスコアに基づいて中リスクまたは高リスクに分類された人々となっていた。

 ベースラインと24カ月後、48カ月後に骨髄生検を行った。ベースラインと24カ月後の生検標本が揃っていたのは68人で、それらのうちの18人については48カ月後の標本も得られた。

 対照には、大規模な前向き研究に登録され、MFに対する治療にハイドロキシウレアが用いられた患者を選んだ。ベースラインと24カ月後の生検標本が得られたのは41人、48カ月後も生検を受けたのは36人だった。

 得られた生検標本に対して、造血細胞充実性の評価、2013 European Leukemia Net(ELN)/国際コンセンサス基準を用いたコラーゲン沈着と骨硬化の度合い(スコア0-3に分類)の評価を行い、さらにWHO分類を用いて骨髄線維化の程度をグレード0-3(値が高いほど重症)に分類した。ベースラインと比較した24カ月後、48カ月後の線維化の状態を、患者ごとに改善、不変、進行に分類した。

 ベースラインの線維化の程度と蝕知できる脾臓の長さ(cm)の間に有意な関係は見られなかった。治療を継続すると、脾臓の長さは経時的に縮小したが、骨髄線維化の程度との間に相関関係は認められなかった。

 線維化の程度をハイドロキシウレア群と比較すると、ruxolitinib群のほうが、24カ月と48カ月の時点で不変または改善と判定された患者の割合が高かった。反対に、これらの時点で進行と判定された患者は、ハイドロキシウレア群に多かった。ハイドロキシウレアと比較したruxolitinibの、線維化進行のオッズ比は、24カ月時点で0.32(95%信頼区間:0.12-0.83)、48カ月では0.12(同:0.03-0.50)になった。

 ベースラインで高リスクに分類された患者のなかで、24カ月時点で線維化が進行したと判断された患者の割合は、ruxolitinib群は28.6%、ハイドロキシウレア群は83.3%、48カ月時点では36.4%と100%だった。ベースラインで中リスクに分類された患者にも同様の傾向が見られた。

 この予備的な研究で、長期にわたるruxolitinib投与はMF患者の骨髄の線維化を遅らせる効果を持つことが示唆された。