ヒトPD-1(Programmed death-1)に対する完全ヒト型モノクローナル抗体であるnivolumab(BMS-936558、ONO-4538)を検討したフェーズ1のCA209-003試験から、既治療の転移を有する腎細胞癌(mRCC)に対し、nivolumabは持続的な奏効と良好な生存期間をもたらし、安全性プロファイルも受容可能である可能性が示された。5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催された第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で、米国Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins University のCharles G. Drake氏が発表した。

 CA209-003試験の対象は、2008年10月から2012年1月までに登録された、mRCCおよびその他の進行固形腫瘍の患者。nivolumab の用量群は0.1-10mgとし、1サイクルを8週として、2週に1回静脈内投与し、最大12サイクルまでとした。mRCCのコホートは1mg/kgまたは10mg/kgとされ、受容可能な安全性プロファイルと持続的な20-30%の奏効が観察されている。

 今回Drake氏らは、同試験で1年以上の追跡期間が得られたmRCCの患者について、全生存期間(OS)、抗腫瘍活性、安全性を報告した。

 2013年3月5日の時点で、計306人の患者がnivolumabの投与を受け、このうちmRCC患者は34人(男性26人、年齢中央値58歳)だった。3つ以上の前治療を受けた患者は44%、血管新生阻害剤の投与を受けた患者は71%、免疫療法、ホルモン療法、生物学的製剤による治療を受けた患者は71%だった。

 nivolumab 1mg/kgは18人、10mg/kgは16人に投与された。奏効率は、全用量では29.4%、1mg/kgでは27.8%、10mg/kgでは31.3%となった。10mg/kgが投与された1人では完全奏効(CR)が得られた。全用量の奏効期間は56.1週だった。

 奏効が得られた10人中、4人では8週時の最初の測定で奏効が認められた。2013年3月の時点では、4人で奏効が持続していた。5人では治療中止後も奏効が持続し、このうち4人では治療中止後も19週以上、奏効が持続していた。

 OSの追跡期間中央値が24カ月の時点で、19人が生存中だった。全用量のOS中央値は22カ月の時点で未到達だった(95%信頼区間:13.6-評価不能)。1年の全生存率は70%、2年の全生存率は50%だった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は、全用量で7.3カ月(95%信頼区間:3.7-12.9)、1mg/kgでは4.7カ月(同:1.9-10.9)、10mg/kgでは18.8カ月(95%信頼区間:11.6-評価不能)だった。

 計画された最大耐用量(MTD)の10mg/kgでは、MTDは定義されなかった。全対象と比較して、mRCCのコホートでは、治療に関連する有害事象の範囲、頻度、重症度は、いずれの用量でも同様だった。治療期間との明確な関連はみられなかった。

 mRCCのコホートと全対象で観察された薬剤に関連する有害事象は、全グレードではそれぞれ85%と75%、グレード3-4は18%と17%だった。mRCCのコホートで多く観察された有害事象(全グレード)は疲労(41%)、発疹(27%)、下痢(18%)、そう痒(18%)などで、全対象と類似していた。治療に関連する肺臓炎は、mRCCで1人(3%)に発現したが、グレード3-4の肺臓炎はなかった。一方、全対象ではグレード3-4の肺臓炎が4人(1%)に発現し、このうち3人は致死的で、非小細胞肺癌と大腸癌の患者だった。

 Drake氏によると、mRCC患者を対象として生存期間を評価項目とするnivolumabのフェーズ3試験が現在進行中であるという。