米Mount Sinai Medical CenterのSimon B. Zeichner氏らは、エキセメスタンを単剤で用いた場合と比較したエベロリムス併用の無増悪生存に対する効果が費用に見合うものかどうかを、支払う側の視点から分析した。得られた結果は、2剤併用の費用対効果は好ましいレベルにないことを示した。予備的な分析結果はASCO2013で6月3日にポスター発表された。

 米食品医薬品局(FDA)は、エベロリムスエキセメスタンの組み合わせを、閉経後のホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性の転移性乳癌患者の治療に用いることを認めている。

 エベロリムスの承認は、無作為化フェーズ2 BOLERO-2試験の結果に基づく。この試験のデータは、非ステロイド系アロマターゼ阻害薬の治療歴を有する患者にこれら2剤を併用すると、エキセメスタンを単剤で用いた場合に比べ無増悪生存期間が有意に延長することを示した。

 研究者たちは、この試験のデータを利用し、decision treeを用いた判断分析モデルを用いて、2剤併用の費用対効果を評価した。

 エキセメスタン単剤とエベロリムス併用レジメンの治療コストは、メディケアサービスセンターの薬剤費支払い表と医師への診療費支払い表に基づいて、2012年の米ドルの水準で計算し、質調整無増悪生存年(QAPFLY)に基づく増分費用を算出、増分費用効果比(ICER)を推定した。一元感度分析と確率的感度分析を行ってモデルの妥当性を確認した。

 ICERが好ましい値かどうかは、WHOの支払意志額(Willingness to pay:WTP)の閾値の定義、すなわち1人あたりの国民総生産の1-3倍を基準に判断した。米国の2011年の1人あたりの国民総生産は4万8112ドルだったことから、WTPの閾値を14万4336ドルとした

 外部評価委員会によるBOLERO-2試験データの分析では、エベロリムスの追加はQAPFLYを0.42年延長していた。増分費用は7万885.69ドルで、ICERは16万9973.03ドルになった

 試験に参加した医師による分析では、エベロリムスの追加はQAPFLYを0.27年延長、増分費用は4万8136.36ドル、ICERは18万1199.21ドルになった。

 WTPの閾値が14万4336ドルに設定されていたため、エベロリムスを併用するレジメンの費用対効果は良好とは言えないことが示唆された。研究者たちは、マルコフモデルを用いてさらに分析を行っている。