3期の大腸癌に対する術後化学療法として、S-1投与は選択肢の1つであることが明らかとなった。S-1投与とUFT/LV投与を比較した無作為化フェーズ3試験、ACTS-CCの結果示されたもの。5月31日から4日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、神戸市立医療センター西市民病院の仲本嘉彦氏によって発表された。

 ACTS-CC試験は、日本における3期大腸癌患者の術後化学療法の標準療法の1つであるUFT/LVに対する、S-1の非劣性を証明するために行われた。試験の参加者は20歳から80歳の3期大腸癌患者で治癒的切除を受けた患者とした。患者は術後化学療法としてS-1を受ける群(S-1群)とUFT/LVを受ける群(UFT/LV群)に無作為に割り付けられた。

 S-1群は、42日間を1サイクルとして1日目から28日まで、体表面積に応じて1日あたり80mg、100mg、120mgを投与した。投与は4サイクル行われた。UFT/LV群は35日間を1サイクルとして1日目から28日目まで、UFTを体表面積に応じて1日あたり300mgから600mg、LVを1日あたり75mg投与した。投与は5サイクル行われた。主要評価項目は無病生存期間(DFS)だった。

 2009年4月から2010年6月までに1535人の患者が登録され、1528人(S-1群は758人、UFT/LV群は760人)の結果が効果の解析に利用された。観察期間中央値は41.3カ月、登録者の平均年齢は64.5歳で、D3郭清が79.8%の患者で行われていた。切除リンパ節数中央値は17で、3A期が15%、3B期が71%、3C期が14%だった。

 解析の結果、3年DFS率はS-1群が75.5%、UFT/LV群が72.5%だった。DFSのハザード比は0.85(95%信頼区間:0.70-1.03)で非劣性が証明された(p=0.1003)。3年全生存期間はS-1群が93.6%、UFT/LV群が92.7%だった。ハザード比は0.86(95%信頼区間:0.62-1.19)、p=0.3600だった。投薬完遂率はS-1群が76.5%、UFT/LV群が73.4%。

 副作用発現プロファイルは両群で異なっていたが、頻度と程度は受容可能なものだった。グレード3以上の副作用は下痢(S-1群4.4%、UFT/LV群5.5%)、食欲不振(4.9%、3.5%)、白血球減少症(0.7%、0.4%)、貧血(0.9%、0.1%)、血小板減少症(0.1%、0.4%)、高ビリルビン血症(1.2%、1.5%)、AST上昇(0.8%、2.1%)、ALT上昇(1.1%、3.3%)が含まれていた。