未治療転移性腎細胞癌に対するエベロリムスベバシズマブ投与は、インターフェロン-α(IFN-α)+ベバシズマブ投与と比べて全生存期間(OS)に差がないことが明らかとなった。2群の無増悪生存期間(PFS)を比較するRECORD-2試験の最終結果として示されたもので、5月31日から米国シカゴで開催された第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で、フランス Hospital Saint-AndreのAlain Ravaud氏が発表した。

 RECORD-2試験は、未治療の淡明細胞型転移性腎細胞癌を、エベロリムス+ベバシズマブ群(エベロリムス群)とIFN-α+ベバシズマブ群(IFN群)に割り付けて比較検討したフェーズ2試験。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、追跡の結果、エベロリムス群9.3カ月、IFN群10.0カ月で、2群間で有意差は認められていなかった。

 今回、Ravaud氏らは、このRECORD-2試験のOSに関する最終結果を報告した。

 治療レジメンは、両群共に投与するベバシズマブは2週ごとに10mg/kg投与とし、エベロリムスは10mg/日、IFN-αは1週間に9 MIUを3回投与とした。

 エベロリムス群(182例)、IFN群(183例)の患者背景は、2群間で差はなかった。年齢中央値がいずれも60歳、男性比率はそれぞれ75.8%、71.6%。MSKCCリスク分類におけるFavorableリスク例はエベロリムス群35.7%、IFN群36.1%、Intermediateリスクはエベロリムス群57.1%、IFN群56.8%だった。ただし、組織型では高分化型(well differenciated)がIFN群6%だったのに対し、エベロリムス群は2.2%とわずかだが違いが認められた。

 フォローアップ期間中央値は33カ月。追跡の結果、全生存期間中央値は、エベロリムス群で27.1カ月(95%信頼区間:19.9-35.3)、IFN群で27.1カ月(同:20.4-30.8)だった。IFN群のOSのハザード比は1.01(95%信頼区間:0.75-1.34、p=0.961)となった。

 各群の試験薬による治療ができていた期間の中央値は、エベロリムス群8.5カ月、IFN群8.3カ月だった。

 本試験の治療を中断後、エベロリムス群の64.3%、IFN群の60.1%が抗腫瘍薬治療を受けており、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を投与されていたのはエベロリムス群55.5%、IFN群55.7%だった。

 有害事象による治療の中断・減量を必要としたのは、エベロリムス群80.6%、IFN群76.8%だった。有害事象で多く認められたのは、エベロリムス群では、口内炎(62.8%)、蛋白尿(50.0%)、下痢(40.0%)、高血圧(38.3%)、IFN群では食欲減退(45.3%)、疲労(42.0%)、蛋白尿(37.6%)、無力症(35.4%)、発熱(34.8%)だった。グレード3/4の有害事象については、エベロリムス群では蛋白尿(24.4%)、口内炎(10.6%)、貧血(10.5%)、IFN群では疲労(17.1%)、無力症(14.4%)、蛋白尿(10.5%)だった。なお、重篤な有害事象のうち、肺炎は、エベロリムス群3.3%、IFN群1.1%だった。

 これらの結果からRavaud氏は、「OSの結果はPFSの結果と一致して2群間で差がないというものだった。標準治療の1つであるIFN-α+ベバシズマブと比較して、mTOR阻害薬をベースとしたファーストライン治療は劣るものではない」とまとめた。