イマチニブおよびスニチニブもしくはそれ以上の治療後に病勢進行(PD)となった切除不能・転移性GISTに対するイマチニブ再投与は、プラセボに対して無増悪生存期間(PFS)を延長することが示された。5月31日から米国シカゴで開催されている第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で、韓国University of UlsanのYoon-Koo Kang氏が発表した。

 進行GISTに対してイマチニブ、スニチニブなどの有効な治療を行っても進行してしまった場合に、実地診療ではイマチニブを再投与することがある。この再投与の根拠には、チロシンキナーゼ阻害薬を中止するとGISTが急速に増殖してしまうという現象がある。今回、Kang氏らは、全てのチロシンキナーゼ阻害薬投与後に進行してしまったGISTを対象にイマチニブ再投与の有効性を検討するランダム化フェーズ3試験であるRIGHT試験を行った。

 対象は、ファーストライン治療として投与したイマチニブで6カ月以上の効果が得られていたがPDとなり、その後、スニチニブでもPDとなった切除不能もしくは転移性GIST患者。サードライン治療として他のチロシンキナーゼ阻害薬を投与された患者も登録可能とした。

 これらの患者に、ベストサポーティブケア(BSC)とともにイマチニブ400mg/日もしくはプラセボを投与した。イマチニブ群においてPDとなった場合は投薬中止あるいはイマチニブの継続とし、プラセボ群においては、PD後にクロスオーバーが許可され、イマチニブ投与が可能とした。

 主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、進行までの期間、12週時の病勢コントロール率とした。

 2010年7月から2013年1月までに81例がランダム化され、イマチニブ群に41例、プラセボ群に40例が割り付けられた。

 患者背景は両群に差はなく、40%の患者が本試験治療前にサードライン以降のチロシンキナーゼ阻害薬の投与を受けていた。原発部位は小腸が半数以上だった。ファーストライン治療として受けたイマチニブの治療期間は12カ月以上24カ月未満がイマチニブ群34.1%、プラセボ群25.0%、24カ月以上がイマチニブ群58.5%、プラセボ群62.5%だった。セカンドライン治療として受けたスニチニブの治療期間が6カ月以上だったのはイマチニブ群63.4%、プラセボ群45.0%だった。これら投与期間についての2群間の差は有意ではなかった。原発のゲノム型はKIT exon11変異が約8割を占めた。

 追跡の結果、イマチニブ群のPFSは1.8カ月で、プラセボ群の0.9カ月に対して有意に延長していた(ハザード比0.45、95%信頼区間:0.27-0.76、片側p=0.00075)。

 サブグループ解析の結果、年齢、性、サードライン治療を受けていたかどうか、EGOG PS、原発部位、ファーストライン治療の期間、セカンドライン治療の期間、遺伝子変異について、いずれもイマチニブ群で良好だった。

 病勢安定が得られている期間については、4週以上安定が得られていたのは、イマチニブ群73.2%、プラセボ群42.5%、8週以上の安定が得られていたのはイマチニブ群41.5%、プラセボ群15.0%、12週以上の安定が得られていたのはイマチニブ群31.7%、プラセボ群5.0%だった。

 プラセボ群の95.2%はPD後にクロスオーバーされ、イマチニブ投与を受けた。このプラセボ群でクロスオーバーされた患者のイマチニブ投与からのPFSは1.7カ月で、イマチニブ群のPFSと同等となった。

 OS中央値は、イマチニブ群8.2カ月、プラセボ群7.5カ月で差は認められなかった。

 非血液学的毒性でグレード3/4が認められたのは、疲労と高ビリルビン血症で、疲労はイマチニブ群10%、プラセボ群0%、高ビリルビン血症はイマチニブ群7%、プラセボ群3%だった。グレード3/4の血液学的毒性で頻度が高かったのは貧血で、イマチニブ群29%、プラセボ群8%だった。

 これらの結果からKang氏は、少なくともイマチニブ、スニチニブによる治療でいずれも進行してしまった患者において、イマチニブ再投与は有効であるとまとめた。しかし、巨大な腫瘍においてはイマチニブ感受性が残っているものの、チロシンキナーゼ阻害薬抵抗性クローンが増殖し続けてしまうため、効果が期待できる期間は短くなりがちであると指摘した。