進行切除不能肝細胞癌に対するソラフェニブの投与量と安全性は、肝機能に関わらずほぼ同等であることが明らかとなった。また、Child Pugh分類が全生存期間(OS)に対する強い予後因子であることが分かった。国際共同非介入試験であるGIDEON試験の最終解析の結果から示されたもの。5月31日から6月4日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米The University of Texas Southwestern Medical CenterのJorge A. Marrero氏によって発表された。

 GIDEON試験は、ソラフェニブが投与された肝細胞癌患者を対象とした国際共同前向き非介入試験。世界39カ国から378施設、日本からは40施設が参加している。2011年4月に登録が終了し、世界で3382例、日本からは517例が登録された。主要評価項目は安全性で、副次評価項目として有効性や治療期間などが設定されている。

 3202人の症例で安全性についての評価が可能だった。

 全体として、重篤な副作用はChild Pugh Aの患者(36.0%)よりもChild Pugh Bの患者(60.4%)でより多くみられたが、薬剤関連副作用の発現はChild Pugh Aの患者で68.5%、Child PughBの患者で64.4%と、Child Pugh分類によらず同様の頻度で起こっていた。薬剤関連副作用発生率(患者年あたりのイベント)もChild Pugh A(1.17)とChild Pugh B(1.55)で同等だった。

 ソラフェニブの毎日の平均投与量はChild Pugh Aの患者(677.0mg)よりもChild Pugh Bの患者(741.5mg)でわずかに多かった。治療期間中央値はChild Pugh Aが17.6週、Child Pugh Bが9.9週で、Child Pugh Aの患者の方が長かった。

 intention-to-treat解析(割り付けられた薬を1度も飲まなくても治療群として解析する)の対象である3213人の結果から、全生存期間(OS)中央値は、Child Pugh Aの患者が13.6カ月(95%信頼区間:12.8-14.7)、Child Pugh Bの患者が5.2カ月(同:4.6-6.3)で、Child Pugh A患者の方が長かった。また、Child Pugh Bの患者でスコアが7の患者は4.2カ月(95%信頼区間:3.5-3.7)、スコア8の患者は5.2カ月(同:3.5-7.9)、スコア9の患者は4.1カ月(同:2.3-12.0)と、スコアによる差はなかった。

 増悪までの期間(TTP)の中央値は、Child Pugh Aの患者が4.7カ月(95%信頼区間:4.3-5.2)、Child Pugh Bの患者が4.4カ月(同:3.5-5.5)で、Child Pugh A患者の方が長かった。