初発膠芽腫に対し、標準治療である化学放射線療法(CRT)へのベバシズマブの追加投与は、無増悪生存期間(PFS)を延長させる傾向があるが、全生存期間(OS)は改善しなかったことが、米国で実施された無作為化フェーズ3試験のRTOG 0825試験で明らかになった。5月31日から米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会の年次集会(ASCO 2013)で、米 M. D. Anderson Cancer CenterのMark R. Gilbert氏らが発表した。

 初発膠芽腫に対し、テモゾロミドと放射線療法およびその後のテモゾロミド単独投与(TMZ/RT→TMZ) が標準的な治療となっている。RTOG 0825試験は、これらの治療にベバシズマブを追加することによるOS とPFSの改善を検討した。試験はRTOG、NCCTG、ECOGによって実施された。

 治療は、テモゾロミドによるCRTを3週行った後に、CRT+プラセボ群とCRT+ベバシズマブ群に無作為に割りつけ、CRTとプラセボもしくはベバシズマブの投与を3週行った。さらに維持療法としてテモゾロミドとプラセボもしくはベバシズマブを投与した。

 主要評価項目はOSとPFSで、副次評価項目は、毒性プロファイル、症状、健康関連QOL、神経認知機能とした。またMGMT(メチルグアニンメチル基転移酵素)メチル化、予後に関与する9つの遺伝子、RPA分類によるベバシズマブの有用性も検討した。

 同試験には978人が登録し、637人が無作為化された。結果、OS中央値はプラセボ群が16.1カ月、ベバシズマブ群が15.7か月で、2群でOSに有意な違いがなかった(ハザード比1.13、p=0.21)。

 PFS中央値はそれぞれ7.3カ月、10.7カ月で、ベバシズマブ群のほうが長かった(ハザード比0.79、p=0.007)。しかし事前に統計的に増悪リスクは30%低下、両側検定でp値は0.004と設定していたため、この基準は満たさなかった。

 MGMT の状態で分けると、MGMTメチル化のある患者ではOSが優れており、中央値が23.2カ月であるのに対し、メチル化が見られない患者では14.3カ月だった(p<0.001)。またPFS中央値はそれぞれ14.1カ月、8.2カ月であった(p<0.001)。

 ベバシズマブ群で多く見られたグレード3以上の主な有害事象は、高血圧、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症、創傷治癒障害、消化管穿孔、出血、好中球減少だった。

 症状や健康関連QOL、神経認知機能は、評価項目により結果にばらつきが認められた。また遺伝子プロファイルの解析では、ベバシズマブによる初回治療の効果予測因子が示された。今後、前向き試験での検討が必要と考えられる。