第1選択とされている化学療法を受けた後に進行した、または再発した非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に、ペメトレキセド単剤投与と、ペメトレキセド+nintedanibの有効性と安全性を比較した二重盲検の多施設無作為化フェーズ3試験は、無益性解析の結果に基づいて早期中止されたが、その後の正式な分析では、nintedanib併用群における無増悪生存期間の有意な延長が示された。米Indiana大学のNasser H. Hanna氏らがASCO 2013で発表した。

 非小細胞肺癌(NSCLC)の増殖と転移には血管新生が重要な役割を果たす。NSCLCにおける血管新生には血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)による信号伝達経路が関係する。nintedanibはVEGF受容体1-3とPDGF受容体αとβ、FGF受容体1-3、そしてRET、Flt3を標的とする強力な低分子チロシンキナーゼ阻害薬。In vivo試験で、nintedanibが、NSCLCを含むさまざまなヒトの癌を移植された動物モデルに強力な血管新生阻害効果を示すこと、腫瘍の増殖を遅らせることが示されていた。

 一方、ペメトレキセドは現在、非扁平上皮非小細胞肺癌に対する第2選択薬として単剤で用いられている。標準用量のペメトレキセドとnintedanibをプラチナ製剤投与歴を持つ進行NSCLC患者に適用したフェーズ1では、併用レジメンの忍容性が高いことが示され、ヒストリカルコントロールと比較した無増悪生存期間延長も示唆された。

 LUME-Lung2試験はアジア、北米、南米、欧州で行われた。化学療法後に再発または進行(ステージIIIb/IV)した非扁平上皮NSCLC患者で、全身状態を示すECOG PSスコアが0-1の713人を登録、353人(年齢の中央値は60歳)をペメトレキセド(500mg/m2を21日サイクルの1日目に静注)+nintedanib(200mgを1日2回経口投与。2日目から21日目まで実施)(A群)、360人(59歳)を偽薬+ペメトレキセド(B群)に割り付けた。

 主要転帰評価指標は、外部評価委員会がRECIST基準に基づいて推定した無増悪生存期間に設定されており、分析はintention-to-treatで行われた。

 356人が進行を見た時点で中間解析が行われ、データモニタリング委員会による無益性解析の結果に基づいて患者登録は中止された。予定されていた登録患者数は1300人で、713人を無作為割り付けした時点だった。ただし、この分析には条件付き検定が用いられており、主要評価指標に関する分析に本来用いられるはずの帰無仮説を設定した統計的検定は行われていなかった。

 すでに割り付けられた患者の追跡を継続、498人が進行を経験した2012年7月9日の時点で外部評価委員会が分析したところ、無増悪生存期間の中央値は、A群が4.4カ月、B群が3.6カ月となり、ハザード比は0.83(95%信頼区間:0.7-0.99、p=0.04)と有意差を示した。

 病勢コントロール率(完全奏効+部分奏効+病勢安定)もA群の方が有意に高かった(60.9%と53.3%、調整オッズ比は1.37、p=0.039)。

 436人が死亡した時点の全生存期間(ハザード比1.03、p=0.79)と奏効率(9.1%と8.3%)には差は無かった。

 有害事象による死亡と重症有害事象の発生率は両群間で同様だった。A群により多く発生したグレード3以上の有害事象は、ALT上昇(23.3%と7.3%)、AST上昇(12.1%と1.7%)、下痢(3.5%と1.1%)だった。グレード3以上の高血圧、出血、血栓症、粘膜炎、神経障害の発生率に差は無かった。

 早期中止となったが、主要転帰評価指標に設定された無増悪生存期間はnintedanib併用群で有意に高く、安全性のプロファイルは管理可能であることが示された。