初発膠芽腫患者において、ベースライン時の癌関連症状および10週までの早期悪化が、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)に有意に関連することが、化学放射線療法へのベバシズマブ追加を検討したフェーズ3試験RTOG 0825の患者報告アウトカム(PRO)の解析で明らかになった。またベバシズマブの追加で癌関連症状が強くなり、健康関連QOLが低下する傾向も示された。5月31日から米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会の年次集会(ASCO 2013)で、米University of Texas Health Science Center School of NursingのTerri S. Armstrong氏らが発表した。

 RTOG 0825試験では、初発膠芽腫患者を対象に、テモゾロミドを用いた標準的な化学放射線療法(CRT)にベバシズマブを上乗せする群(以下、ベバシズマブ群)と、CRTにプラセボを投与する群(同、プラセボ群)が比較検討された。主要評価項目であるPFSはベバシズマブ群のほうが良好な傾向を示したが、OSは2群間で有意な違いはなかったことが、ASCO2013の別のセッションで報告されている。

 今回の患者報告アウトカムでは、症状の評価にM.D.アンダーソン症状評価表-脳腫瘍版(MDASI-BT)を、QOLの評価にEORTC QLQ-C30および脳腫瘍特異的な指標であるQLQ-BN20を用い、ベースライン時と6、10、22、34、46週時に評価した。

 患者報告アウトカムの評価は507人を対象に行われ、プラセボ群が247人、ベバシズマブ群が260人だった。評価のコンプライアンスは、ベースライン時は9割を超え、10週目は7割強、34-46週目ではおよそ半数と減ったが、22週目を除き、2群間でその割合はほぼ同じだった。

 解析では、ベースライン時の各評価項目および各項目の早期変化(ベースライン時から10週までの間)と、PFSおよびOSとの関連性が検討された。

 その結果、QOLに関して、PFSと有意に関連する因子は、すでに予後因子として知られるMGMTメチル化とRPA分類のほか、QLQ-C30で評価されたベースライン時の身体機能と、QLQ-BN20で評価された症状(頭痛、発作)の早期変化であった。OSに関しては、MGMTメチル化、RPA分類のほか、ベースライン時の全般的QOLと身体機能、さらに症状(経済的な問題)と症状(発作)が有意に関連していた。

 MDASI-BTでは、PFSと有意に関連する因子は、MGMTメチル化とRPA分類のほか、ベースライン時の神経学的因子、情緒の早期変化であった。OSに関しては、MGMTメチル化の状態、RPA分類のほか、ベースライン時の神経学的因子、認知症状が有意に関連していた。

 また34週目で2群を比較すると、QLQ-C30/BN20で症状が安定していると考える人の割合がプラセボ群のほうで多く、MDASI-BTでは症状が悪化していると考える人がベバシズマブ群で多いことが示された。

 縦断的な解析(0-46週)では、QLQ-C30/BN20で認知機能、運動障害、コミュニケーション能力において、ベバシズマブ群では有意な悪化を示し、MDASI-BTでも、全般的な症状、認知機能など複数の項目で、ベバシズマブ群で有意な悪化を示した。

 これらのことから、症状やQOLの悪化について、「仮説としては、中枢神経系の毒性や画像では認識されない増悪を含め、治療によるものかもしれない」が、今回の解析では因果関係は明らかでないとしている。