進行した再発性、転移性の子宮頸癌患者を登録してGynagologic Oncology Group(GOG)が行ったフェーズ3試験で、化学療法にベバシズマブを加えると、全生存期間、無増悪生存期間、客観的奏効率が有意に改善することが明らかになった。分子標的薬が婦人科癌の全生存期間を延長することを初めて示した試験の結果は、米California大学Irvine校のKrishnansu Sujata Tewari氏によってASCO2013で6月2日に報告された。

 進行した子宮頸癌にはシスプラチン+パクリタキセルが標準的に用いられるが、全生存期間の中央値は12カ月以下にとどまる。再発した患者の局所進行病変には、シスプラチンベースの化学放射線療法が適用される場合が多いが、プラチナ製剤ベースの治療に対する耐性が生じると治療効果は低下する。

 GOGの研究者たちは、プラチナ製剤を含まないレジメンと、抗血管新生療法を加えたレジメンの可能性を評価するオープンラベルの無作為化試験を行った。

 血管新生を促進し子宮頸癌の進行を仲介する血管内皮増殖因子(VEGF)に特異的なヒト化抗VEGF抗体製剤のベバシズマブは、単剤で、再発した子宮頸癌に有効であることが示されていた。

 著者らは化学療法歴の無い、進行した(ステージIVb)患者、または標準治療を受けた後も病気が持続している、もしくは再発した患者のうち、再発病変に対する化学療法は受けておらず、全身状態を示すGOG PSスコアが0-1、などの条件を満たす患者を登録した。試験は2X2のファクトリアルデザインになっており、プラチナ製剤を含む化学療法レジメンと含まないレジメンのそれぞれ、すなわち、シスプラチン50mg/m2+パクリタキセル135mg/m2または175mg/m2、もしくは、トポテカン0.75mg/m2を1日目から3日目まで+パクリタキセル175mg/m2のいずれかに患者を割り付け、さらにベバシズマブ15mg/kgを併用、もしくは併用無しに割り付けた。21日ごとに治療を繰り返し、進行が見られるまで、許容できない毒性が表れるまで、完全奏効達まで継続した。

 主要転帰評価指標は全生存期間とし、試験は、死亡が346人になった時点で最終的な分析を行う設計になっていた。

 2009年4月から2012年1月初めまでに452人の患者を登録。1回目の中間解析は、174人が死亡した2012年2月6日までのデータを用いて行った。この時点では、2通りの化学療法レジメンの有効性を比較した。死亡はプラチナ製剤を含むレジメンが229人中81人(35%)、含まないレジメンでは223人中93人(42%)で、全生存期間の中央値はそれぞれ15カ月と12.5カ月、プラチナ製剤無しレジメンと比較した有りレジメンの死亡のハザード比は1.20(片側検定のp=0.880)で有意差は見られなかった。

 2回目の中間解析は271人が死亡した時点で行われた。追跡期間の中央値は20.8カ月になっていた。

 225人(ベースラインの年齢の中央値は46歳)が化学療法のみ、227人がベバシズマブ併用(48歳)に割り付けられており、両群の年齢、腫瘍の組織分類、PSスコアや、再発性疾患、持続性疾患、進行性疾患の患者の割合などに差は無かった。放射線治療感受性を高めるためにプラチナ製剤を使用したことがある患者は化学療法のみ群の74%、ベバシズマブ併用群の75%と多かった。

 死亡はベバシズマブ併用群が131人(58%)、化学療法のみ群は140人(62%)で、生存期間の中央値はそれぞれ13.3カ月と17.0カ月だった。ベバシズマブ併用群の死亡のハザード比は0.71(片側検定のp=0.0035)になった。予後予測因子に基づいて患者を層別化し、サブグループ解析を行ったところ、ほとんどの患者群にベバシズマブは生存利益をもたらしていた。

 無増悪生存期間の中央値はベバシズマブ併用群が8.2カ月、化学療法のみ群が5.9カ月で、ハザード比0.67(両側検定のp=0.0002)。RECIST基準に基づく奏効率は、ベバシズマブ併用群が48%、化学療法のみ群は36%(両側検定のp=0.00807)で、完全奏効(CR)は28人と14人だった。

 シスプラチン+パクリタキセル群の患者をベバシズマブ有り(115人)と無し(114人)に分けて全生存期間を比較したところ、それぞれ17.5カ月と14.3カ月になり、ハザード比は0.68(両側検定のp=0.0348)と有意差を示した。奏効率の差は有意ではなかった(50%と45%で両側検定のp=0.5090)。

 トポテカン+パクリタキセル群の患者についても同様に分析した。ベバシズマブ有り群(112人)と無し群(111人)の生存期間の中央値は16.2カ月と12.7カ月、ハザード比は0.74(両側検定のp=0.0896)で差は有意ではなかったが、奏効率は47%と27%(両側検定のp=0.0022)で有意差を示した。

 ベバシズマブ併用群に多く見られたグレード3/4の有害事象は、出血(5%と1%)、血栓塞栓症(8%と1%)、消化管瘻(3%と0%)、泌尿生殖器瘻(2%と0%)。グレード2以上の高血圧の発生率は25%と2%と大きな差を示したが、ベバシズマブ群の治療中止には結びついていなかった。グレード4以上の好中球減少症は35%と26%に見られた。安全性に関する新たな問題は認められず、試験期間中の4群間の健康関連QOLには有意な差は見られなかった。

 2回目の中間解析の結果が有効性に基づく早期終了の境界を超えたため、データを予定より早く公開することができたという。著者らは、ベバシズマブの追加により、QOLの低下無しに生存期間の中央値が4カ月近く延長したことは、再発性子宮頸癌患者にとって臨床的に意義のあるものだと述べている。