ステージIIIbまたはIVの非扁平非小細胞肺癌(NS-NSCLC)患者に対する維持療法の有効性を検討した試験のうち、維持療法期に移行できた患者のみを対象とした探索的解析から、ベバシズマブ+ペメトレキセド併用による維持療法は、安全かつ有効で、ベバシズマブの単剤投与よりも予後が良好な傾向が示された。米国Feinberg School of Medicine, Northwestern UniversityのJyoti D. Patel氏らが、5月31日から米国シカゴで開催されている第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で発表した。

 今回、探索的解析を行った試験は、フェーズ3試験であるPointBreak試験で、パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブによる導入療法後にベバシズマブによる維持療法を行う治療に対する、ペメトレキセド+カルボプラチン+ベバシズマブによる導入療法後に維持療法としてペメトレキセド+ベバシズマブを併用投与する治療の、OSに関する優越性を評価した試験。試験全体では、ペメトレキセドを用いる治療の優越性は示されていない。

 今回発表したのは、このPointBreak試験のうち、維持療法期に移行できた患者を対象とした探索的研究の解析結果で、ベバシズマブ+ペメトレキセド併用による維持療法の安全性と有効性について検討した。

 試験治療は、導入療法として、ペメトレキセド(500mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)+ベバシズマブ(15mg/kg)を併用投与する群(以下、ペメトレキセド群)と、パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)+ベバシズマブ(15mg/kg)を併用投与する群(以下、パクリタキセル群)の2群に無作為に割り付け、21日おきに4サイクル実施。その後、RECISTで完全寛解(CR)または部分寛解(PR)または病勢安定(SD)と判定された患者について、維持療法として、ペメトレキセド群にはペメトレキセドとベバシズマブを、パクリタキセル群にはベバシズマブを21日おきに病勢進行するまで投与した。

 PointBreak試験の対象は、前治療を受けていない、PS 0-1、ステージIIIB、IVのNS-NSCLC患者で、そのうち維持療法期に移行できたのはペメトレキセド群では62%に相当する292例、パクリタキセル群では64%に相当する298例だった。

 患者背景は、試験全体と維持療法期に移行できたグループとの間、ペメトレキセド群とパクリタキセル群との間のいずれでも有意な差はなかった。年齢中央値は63-64歳、男性比率は50-53%、白人は84-87%、ECOG PS 0が43-47%、ステージIIIBは9-10%、腺癌は77-81%を占めた。

 導入療法を含めた投与サイクル中央値は、試験全体でのペメトレキセド群が7、パクリタキセル群が6、維持療法期に移行できた患者に限ると、ペメトレキセド群が10(範囲:4-41)、パクリタキセル群が9(範囲:5-39)だった。

 試験全体での追跡期間中央値は、ペメトレキセド群が11.7カ月、パクリタキセル群が11.9カ月で、2012年4月3日時点の生存患者(258人)に限るとそれぞれ21.2カ月、21.0カ月だった。

 試験全体におけるペメトレキセド群のOS中央値は12.55カ月、パクリタキセル群は13.40カ月で有意差はなかった(ハザード比1.00、p=0.949)。

 このうち、維持療法に移行して5サイクル以上行った患者に限ると、ペメトレキセド群のOS中央値は17.74カ月、パクリタキセル群は15.74カ月だった。1年生存率はそれぞれ72%、67%、2年生存率は35%、27%だった。ただし5サイクル未満と早期に中止した患者グループにおいては、ペメトレキセド群(180人)のOS中央値は4.70カ月、パクリタキセル群(169人)は6.08カ月だった。

 また、試験全体におけるペメトレキセド群のPFS中央値は6.04カ月で、パクリタキセル群の5.55カ月と比べて、有意に延長していた。このうち、維持療法期に移行した患者グループにおいては、ペメトレキセド群のPFS中央値は8.61カ月、パクリタキセル群は6.93カ月だった。

 維持療法期に移行した患者グループにおいて、維持療法期にペメトレキセド群で主に発現したグレード3または4の有害事象は、好中球減少症が14.0%、貧血が11.%、疲労が9.6%、血小板減少が7.2%だった。パクリタキセル群はそれぞれ11.4%、0.3%、1.7%、2.3%だった。パクリタキセル群では感覚性神経障害が多かった(4.7%)。

 治療中止後に受けた治療については、維持療法期に移行した患者グループにおいて、ペメトレキセド群で57.2%、パクリタキセル群で64.8%が治療を受けており、ペメトレキセド群で多かった主な治療はドセタキセル(22.3%)、エルロチニブ(18.2%)、ベバシズマブ(13.4%)、ゲムシタビン(11.3%)だった。一方、パクリタキセル群ではペメトレキセド(39.9%)、エルロチニブ(17.1%)、ベバシズマブ(10.4%)、ドセタキセル(9.7%)だった。

 Patel氏は、「今回の解析で、NS-NSCLC患者に対し、ベバシズマブ+ペメトレキセド併用による維持療法は、有効で安全な治療であることを支持する結果が示された。維持療法は単剤投与よりも併用投与の方が予後を改善する可能性がある」と指摘した。