放射性ヨード療法に抵抗性の局所進行または転移を有する甲状腺分化癌を対象にソラフェニブの有効性を示した、無作為化プラセボ対照国際フェーズ3試験 DECISION(stuDy of sorafEniub in loCally advanced or metastatIc patientS with radioactive Iodine refractory thyrOid caNcer)の結果の詳細が明らかになった。5月31日から6月4日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、University of PennsylvaniaのMarcia S.Brose氏によって発表された。

 甲状腺癌は、米国で毎年約6万人が罹患し、そのうちの85%を分化癌が占めている。甲状腺分化癌は手術と放射性ヨード療法によって、一般的に高い治癒率となっているが、5〜10%の患者で放射性ヨード療法に抵抗性となる。抵抗性の患者にはドキソルビシンが使われる場合があるが、効果は低く毒性が強いことが問題とされている。

 DECISION試験は、放射性ヨード療法に抵抗性で化学療法やチロシンキナーゼ阻害剤、抗VEGF抗体、抗VEGF受容体抗体、他の分子標的薬の投与を受けたことのない局所進行または転移を有する甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞腫、低分化癌)患者417人を対象に行われた。患者はソラフェニブ400mgを1日2回投与される群(207人)とプラセボを投与される群(210人)に無作為に割りつけられた。プラセボ群の患者には、増悪した時に患者の臨床状態によって医師の裁量でソラフェニブ群にクロスオーバーする選択肢が与えられていた。

 主要評価項目はRECIST評価による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目には全生存期間、無増悪機関(TTP)、奏効率、奏効期間が含まれていた。安全性と忍容性についても評価された。

 試験の結果、主要評価項目であるPFS中央値は、ソラフェニブ群が10.8カ月、プラセボ群が5.8カ月でハザード比は0.587(95%信頼区間:0.454-0.758)、p<0.0001で有意にソラフェニブ群で延長していた。全生存期間(OS)中央値は両群とも未到達だったが、カプランマイヤー曲線はあまり離れていない。ハザード比は0.802(同:0.539-1.194)、片側p値=0.138だった。

 プラセボ群患者の71%で、ソラフェニブ投与が開始された。奏効率はソラフェニブ群が12.2%、プラセボ群が0.5%で有意にソラフェニブ群の方が高かった(p<0.0001)。6カ月以上の病勢安定はソラフェニブ群が41.8%、プラセボ群が33.2%だった。

 ソラフェニブ群で多く発現した治療関連副作用は、手足皮膚反応、下痢、脱毛、皮疹/落屑、倦怠感、体重減少、高血圧だった。