局所進行・転移性乳癌に対するエリブリンカペシタビンを比較検討した無作為化フェーズ3試験(301試験)で行われたQOLに関する解析の結果から、良好な抗腫瘍効果が得られた患者では、QOLの有意な改善が認められたことが明らかとなった。EORTC QLQ-30およびQLQ-BR23を用いたQOL評価と抗腫瘍効果は相関を示した。5月31日から6月4まで米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、英Leeds Institude of Cancer Studies and Pathology and St James's Institute of OncologyのChristopher Twelves氏が発表した。

 301試験は、局所進行・転移性乳癌患者に対するエリブリンとカペシタビンの有効性を比較するために行われた。同試験では、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はエリブリン群15.9カ月、カペシタビン群14.5カ月で、わずかに有意差を得られなかった(ハザード比0.88、95%信頼区間:0.77-1.00、p=0.056)。また、無増悪生存期間(PFS)においても同様に有意差は得られていない(ハザード比1.08、95%信頼区間:0.93-1.25、p=0.30)。
 
 Twelves氏らは、腫瘍縮小効果とQOLとの相関について解析を行った。抗腫瘍効果の評価はRECIST(ver1.0)を用いて行い、QOLは EORTC QLQ-30およびQLQ-BR23を用いて評価した。
 
 アンケートは、ベースライン時および6週間後、3、6、12、18、24カ月後と経時的に行い、進行または治療の変更まで継続した。調査票の回収に関しては両群で差はなく、治療期間の経過に伴い減少傾向にあったが、予測通りの回収率だった。ベースライン時のGHS/QOL(以下GHS)スコアは低く55だった(0-100で評価され、スコアが高いほどQOLは良好)。

 抗腫瘍効果(CRまたはPR)を得られた患者においては、抗腫瘍効果が得られなかった患者と比較して、機能ドメインでは、身体機能(p<0.01)、認知機能(p<0.01)、社会的機能(p<0.01)、将来展望(p<0.01)の有意な改善が示された。

 また、臨床効果(CR、PRまたはSD)が得られた患者において、認知機能は有意に悪化(p=0.03)したが、身体機能(p<0.01)や社会機能(p<0.01)、将来展望(p<0.01)は有意に改善した。
 
 身体症状尺度の評価でも疼痛、倦怠感、吐き気などの症状が、臨床効果が得られた患者で軽減されていた。