70歳以上の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NS-NSCLC)患者に対するペメトレキセドを用いた維持療法の有効性、安全性は、70歳未満の患者における成績と同等であることが示された。無作為化二重盲検フェーズ3試験であるPARAMOUNT試験のサブグループ解析の結果で、イタリアS. Giuseppe Moscati HospitalのCesare Gridelli氏らが、5月31日から米国シカゴで開催されている第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で発表した。

 PARAMOUNT試験は、NS-NSCLC患者に対する、ペメトレキセドとシスプラチン併用による導入療法後のペメトレキセドによる維持療法の有効性を検討したもので、維持療法でプラセボを投与した群と比べ、ペメトレキセドによる維持療法群は、全生存(OS)と無増悪生存(PFS)を有意に延長することが示されている。

 さらに、サブグループ解析として、年齢別にPFSと安全性、QOLについて検討が行われており、70歳以上と70歳未満に分けて検討した結果では、安全性とQOLについては2グループ間で同等であり、PFSは70歳以上のグループでプラセボ群3カ月に対し、ペメトレキセド群6.4カ月、70歳未満のグループではプラセボ群2.8カ月に対してペメトレキセド群4.0カ月と、いずれの年齢においてもペメトレキセド群で良好な結果が報告されている。

 今回報告されたのは、PARAMOUNT試験の最終解析結果で、OSと安全性に関してサブ解析を実施したもの。

 前治療のない、ECOG PSが0または1、ステージIIIb〜IVのNS-NSCLC患者939人が登録され、導入療法としてペメトレキセド(500mg/m2)+シスプラチン(75mg/m2)を21日おきに4サイクル投与した。導入療法で病勢進行が見られなかったもしくは腫瘍縮小が確認された患者539人に維持療法を実施した。

 患者は、ペメトレキセド+BSC群(359人、以下ペメトレキセド群)とプラセボ+BSC群(180人、以下プラセボ群)に、無作為に2:1の割合で割り付けられた。

 70歳以上(92人、ペメトレキセド群52人、プラセボ群40人)と70歳未満(447人、ペメトレキセド群307人、プラセボ群140人)の患者背景は、PSと男女比以外はほぼ同じだった。70歳以上において、PS 0は22%、PS 1は77%、男性が66%、女性が34%、70歳未満ではそれぞれ34%、65%、56%、44%だった。70歳以上の年齢中央値は73歳、70歳未満が60歳。

 全体の解析では、ペメトレキセド群のOS中央値は13.9カ月で、プラセボ群11.0カ月と比べ、有意に延長した(p=0.0195)。

 サブグループ解析を行うと、70歳以上のOS中央値はペメトレキセド群が13.7カ月、プラセボ群が12.1カ月で、ハザード比0.89(95%信頼区間:0.55-1.44)だった。70歳未満においてペメトレキセド群のOS中央値は13.9カ月、プラセボ群は10.8カ月で、ハザード比は0.75(同:0.60-0.95)。

 ペメトレキセド群の平均投与サイクル数は、プラセボ群と比べて多い傾向だった。70歳以上の平均投与サイクル数はペメトレキセド群が7、プラセボ群が5、70歳未満ではそれぞれ8、5だった。ペメトレキセドの用量強度(DI)は、70歳以上が91%、70歳未満が94%だった。

 治療中止理由を見ると、病勢進行が最も多かった。70歳以上ではペメトレキセド群が50%、プラセボ群が90%、70歳未満ではそれぞれ73%、83%だった。有害事象による中止は、70歳以上においてペメトレキセド群37%、プラセボ群8%、70歳未満においてペメトレキセド群15%、プラセボ群6%だった。

 維持療法期における薬剤関連有害事象については、70歳以上において最も高率に見られたグレード3または4の有害事象は好中球減少症(17%)で、続いて貧血が12%、疲労が6%だった。プラセボ群はそれぞれ0%、0%、5%だった。70歳未満では、ペメトレキセド群でそれぞれ4%、6%、5%、プラセボ群で0%、0.7%、0%だった。

 ペメトレキセドを投与した70歳以上のグループは、ペメトレキセドを投与した70歳未満のグループと比べて、薬剤関連の有害事象による入院(17%対10%)、輸血(29%対17%)、顆粒球コロニー刺激因子投与(17%対5%)やエリスロポエチン製剤投与(17%対11%)の割合が高かった。

 これらの結果からGridelli氏は、「NS-NSCLC患者に対するペメトレキセドを用いた維持療法は、年齢を問わず、プラセボ群に比べてOSが延長していた。一方で、高齢患者では非高齢患者と比べて貧血と好中球減少症が多く、入院や輸血を必要とする割合も高かったが、全体としてはペメトレキセドによる維持療法は70歳以上と70歳未満で同等の効果と安全性である」とまとめた。なお、今回の解析において、各群の検出力は不足していたため、解析は探索的で、確定的な結果ではないと補足している。