閉経後のエストロゲン受容体(ER)陽性早期乳癌患者を対象として、術後補助化学療法としてアロマターゼ阻害剤(AI)のエキセメスタンとアナストロゾールを比較したフェーズ3のNCIC CTG MA.27試験(MA.27試験)から、対象の56.7%は乳癌に関連しない死因で死亡し、高齢や心血管疾患の既往、ECOG PSの低下などが死亡率の上昇と相関している可能性が示された。5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で、カナダQueen’s UniversityのJudy-Anne W. Chapman氏が発表した。

 Chapman氏らは、タモキシフェンによる5年間の術後補助化学療法が完了した後のExtended Adjuvant療法として、AIのレトロゾールまたはプラセボを投与するNCIC CTG MA.17試験で、ベースラインの患者背景や腫瘍の特性、前治療が死因に影響する可能性を検討している。

 今回は、術後補助化学療法としてのエキセメスタンとアナストロゾールの優越性を検証したMA.27試験において、全死因による死亡率に対する因子の影響を検討した。

 同試験の対象は、2003年から2008年までに登録された閉経後のER陽性早期乳癌患者で、エキセメスタン25mg/日を5年間投与する群に3789人(年齢中央値63.9歳)、アナストロゾール1mg/日を5年間投与する群に3787人(同64.3歳)がランダムに割り付けられた。対象中、70歳を超える患者は2159人(28.5%)だった。

 層別化因子は、リンパ節転移の状態、術後補助化学療法、セレコキシブ、アスピリン、トラスツズマブの使用とし、主要評価項目は無イベント生存(EFS)率だった。

 追跡期間中央値は4.1年で、EFSの層別化ハザード比は1.02(95%信頼区間:0.87-1.18)となり、両群で有意差はなかった(p=0.85)。OSについても、層別化ハザード比は0.93(95%信頼区間:0.77-1.13)で、有意差はなかった(p=0.46)。

 Chapman氏らは、ITT、乳癌特異的(time-to-breast cancer-specific)、心血管疾患、その他の原因による死亡までの期間について、治療と層別化因子で調節した対数正規分布による生存分析(log-normal survival analysis)を用いて検討した。各因子について、1)全死因による死亡率、2)死因別死亡率と相関するか否かを検討した。

 432人が死亡し、187人(43.3%)が乳癌特異的、66人(15.3%)が心血管疾患、179人(41.4%)がその他の原因による死亡だった。MA.27 試験の治療は死亡率とは相関しなかった(p=0.84)。

 5つのベースラインの因子が特異的に死因と相関していた。高齢は、乳癌特異的(p=0.03)、心血管疾患(p<0.001)、その他の原因(p<0.001)による死亡率と相関した。心血管疾患の既往は、心血管疾患による死亡率の上昇と相関していた(p<0.001)。

 またECOG PSの低下は、その他の原因による死亡率の上昇と相関していた(p<0.001)。

 一方、T1とプロゲステロン受容体(PgR)陽性乳癌は、乳癌特異的な死亡率の低下と相関した(いずれもp<0.001)。

 リンパ節転移陰性(p<0.001)、ER陽性乳癌(p=0.001)、術後補助化学療法の未施行(p=0.005)も、乳癌特異的な死亡率の低下と相関した。

 トラスツズマブの投与では心血管疾患による死亡率の上昇(p=0.01)、非白人(p=0.03)と術後の補助放射線療法の未施行(p=0.003)ではその他の原因による死亡率の上昇が認められた。