EGFR変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)の初回治療として、afatinib はゲムシタビン+シスプラチン(GC)に比べ、健康関連QOLの有意な改善や肺癌関連症状の軽減が認められることが、無作為化オープンラベルフェーズ3試験LUX-Lung 6の患者報告アウトカム(PRO)の解析で明らかになった。5月31日から米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会の年次集会(ASCO 2013)で、タイPrince of Songkla UniversityのSarayut Lucien Geater氏らが発表した。

 AfatinibはErbBファミリー(EGFR /ErbB1、HER2/ErbB2、ErbB4)を阻害する不可逆的経口剤。EGFR変異陽性のNSCLC患者に対し、ペメトレキセド+シスプラチンによる初回治療よりもPFSを有意に延長するとともに、咳や呼吸困難を軽減させ、全般的な健康状態やQOLが優れていることが、フェーズ3試験(LUX-Lung 3)で報告されている。

 LUX-Lung 6試験は、中国、韓国、タイのEGFR変異陽性進行NSCLC患者を対象に、初回治療として、afatinib とGCの有効性と安全性を検討したオープンラベルランダム化フェーズ3試験。同試験の結果については、別の発表で、afatinib 群におけるPFSの有意な延長が報告される。今回はPROの解析結果が報告された。

 同試験ではEGFR変異陽性で、Stage IIIBのNSCLC患者 364人を、afatinib群とGC群 に2:1の割合で割付した。PROはEORTC質問票QLQ-C30とQLQ-LC13(スコア0-100)を用いて、ランダム化の時、その後は増悪もしくは次の治療開始まで3週ごとに調べた。各項目でスコアが10ポイント以上の変化があった場合を臨床的に有意とした。肺癌症状として、咳、呼吸困難、疼痛について解析した。また悪化までの時間(ランダム化から最初の10ポイント低下まで)が層別ログランク検定で解析された。

 この結果、質問票への回答は85%を超え、ベースライン時の症状は、咳がafatinib群で平均37ポイント、GC群で29ポイント、呼吸困難がそれぞれ25ポイント、24ポイント、疼痛が24ポイント、23ポイントと少なかった。

 治療後、10ポイント以上の改善がGC群に比べてafatinib群で多かった。咳はafatinib群で76%、GC群は55%(p=0.0003)、呼吸困難はそれぞれ71%、48%(p<0.0001)、疼痛は64%、47%(p=0.003)で認められた。

 悪化までの期間は、GC群に比べて、afatinib群で有意に長かった。咳については、GC群における悪化までの期間中央値は10.3カ月だが、afatinib群では中央値に達しておらず、ハザード比は0.45(95%信頼区間:0.30-0.68、p=0.0001)だった。呼吸困難ではafatinib群が7.7カ月、GC群が1.7カ月、ハザード比が0.54(同:0.40-0.73、p<0.0001)。疼痛はafatinib群が6.4カ月、GC群が3.4カ月、ハザード比が0.70(同:0.51-0.96、p=0.0265)だった。

 縦断的な解析でも、症状スコアの平均は、咳、呼吸困難、疼痛のいずれも有意にafatinib群で良好だった。

 全般的健康状態/QOLはafatinib群で有意に改善し(p<0.0001)、身体機能 (p<0.0001)、日常役割機能(p=0.0129)、社会的機能(p=0.0007)は有意にGC群に比べて良好だった。また全般的健康状態/QOLの悪化までの期間も、afatinib群で有意に長かった(p=0.0002)。経時的な全般的健康状態/QOLもafatinib群で有意に良好だった(p<0.0001)。

 安全性プロファイルは既報と変わりなかった。afatinib群で多かった有害事象は下痢で、afatinib群では84%、GC群が28%、口内炎はそれぞれ76%、34%、嚥下障害が51%、28%だった。逆にGC群で多かったのは倦怠感で、それぞれ18%、44%、悪心が39%、70%、嘔吐が33%、56%で認められた。

 以上の結果から、「LUX-Lung 6試験で、afatinib群における優れた効果が、全般的な健康状態やQOLの有意な改善、咳、呼吸困難、疼痛といった肺癌関連症状の改善や良好なコントロールにつながった」とした。