今回のASCOでは、閉経後早期乳癌の術後補助療法としてアロマターゼ阻害薬の投与を受けた患者において、骨粗鬆症の治療を受けていたと報告した患者は乳癌の再発率が低いという解析結果が発表されました。実際の骨粗鬆症の有無に関わらず、骨粗鬆症の治療を受けた患者では、無イベント生存期間(EFS)、無遠隔再発生存期間(DDFS)の有意な改善が認められました。

 ステロイド型のアロマターゼ阻害薬であるエキセメスタンと、非ステロイド型アロマターゼ阻害薬アナストロゾールを5年間投与し、有効性と副作用を比較したNCIC CTG MA.27試験の、サブ解析の結果です。

 エストロゲンの枯渇によって出現する副作用には様々なものがありますが、アロマターゼ阻害薬に特徴的な副作用として、骨代謝に及ぼす影響が挙げられます。この試験では、2剤間の再発抑制効果に差はありませんでしたが、エキセメスタン群で骨粗鬆症の頻度が少ない傾向にあったことが、2010年のサンアントニオ乳癌シンポジウムで報告されています。

 一方、骨粗鬆症というのは骨代謝回転が高い状態であり、前臨床では癌が骨転移しやすい状態であることが証明されています。骨粗鬆症を予防・治療することは、癌の転移を予防する可能性もあるわけです。


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