今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、日本からの演題採択数は米国に次いで2番目になりました。多くの日本人がASCOに関心を持って、重要な情報発信の場と考えているのではないかと思います。また、消化器癌や肺癌だけではなく、婦人科癌でも日本人が口演を行うようになりました。日本発の大規模なフェーズ3試験の結果も発表され、そろそろなべて欧米と肩を並べ始めたかという印象を持ちました。

 胃癌大腸癌のセッションに焦点を当ててみると、ここ2、3年は新しい成果が出ず足踏み状態でしたが、新しい兆しが見えてきました。それは大きく3つに分けられると思います。

 1つ目は完全なネガティブデータでも、適切に実施されたフェーズ3試験についてしっかり発表するということです。2つ目はプール解析で、過去の試験結果をいくつも集めてもう一度解析し、何か新しい発見がないかを探す、さらにはどのような結果であってもサブ解析などを行い、次の臨床試験の計画立案に活かそうという動きです。

 そして3つ目は、新薬の芽が出てきたことです。フェーズ3試験の有望な結果の報告もありました。ただし分子標的治療薬については、治療にかなりのコストがかかることが問題視されてきています。わずかな生存期間の延長に、今までの3倍も4倍もコストをかけて良いのかという議論です。コストと有効性のバランスについて検討したポスター発表も散見され、高騰する治療コストに世界中が懸念し始めていると感じました。


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