1p/19qが共に欠失している退形成性乏突起膠腫に対する放射線療法とその後のPCV療法の施行は、放射線療法のみの場合と比べて予後を改善できることが示された。6月1日からシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、Daniel den Hoed Cancer CenterのMartin Van Den Bent氏が発表した。

 EORTC26951は、退形成性乏突起膠腫(anaplastic oligodendroglioma:AOD)を対象に、放射線療法を計59.4Gy照射した後、そのまま観察する群とPCV療法を行う群に分け、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を評価した試験。

 PCV療法は、プロカルバジン(60mg/m2、day8-29)、ロムスチン(110mg/m2、day1)、ビンクリスチン(1.4mg/m2、day8+29)を6週間1サイクル投与するもの。本試験では6サイクル行うこととしている。

 本試験の結果は、最初に2006年に報告されており、フォローアップ期間中央値60カ月時点で、放射線療法後のPCV療法はPFSを延長するが、OSは改善しないことが示されていた。また、1p/19q欠失は予後に影響することが知られているが、2006年の報告時点ではその生存期間中央値はまだ到達していなかった。

 そこで今回、フォローアップ期間中央値140カ月の長期追跡を行った。この長期追跡期間中に進行した例は、2012年2月時点で298例(81%)、87例(24.6%)が生存していた。

 追跡の結果、放射線療法のみ群のPFS中央値は13カ月、OS中央値は31カ月だったのに対し、放射線療法後PV施行群のPFS中央値は24カ月、OS中央値は42カ月で、PFS、OSともに放射線療法後PCV施行群が有意に延長した。
 
 PCV療法の効果が得られるサブグループを見いだすため、1p/19q欠失について解析した。

 316例について1p/19q欠失が評価され、80例(25%)が1p/19qの両方が欠失していた。1p/19qをともに欠失したグループについて、放射線療法群と放射線療法後PCV施行群の予後を比較した結果、放射線療法群(n=37)のPFS中央値は50カ月、OS中央値は112カ月だったが、放射線療法後PCV施行群(n=43)のPFS中央値は157カ月、OS中央値はまだ到達しておらず、放射線療法後PCV施行群の予後が良好であることが示された。

 1/19qの欠失が見られないグループを対象に検討した結果、放射線療法群のPFS中央値は9カ月、OS中央値は21カ月、放射線療法後PCV施行群のPFS中央値は15カ月、OS中央値は25カ月で、2群間に有意差は見られなかった。

 これらの結果からVan Den Bent氏は、放射線療法後のPCV施行は、退形成性乏突起膠腫の生存期間を改善し、特に1p/19q共欠失患者はPCVが奏効することが示され、1p/19q共欠失例に対する標準療法と考えられた。今後は、欠失が見られない症例に対する治療の探索が求められる」と締めくくった。