高リスクなリンパ節転移陰性乳癌患者において、5-FU系抗癌剤を含むFAC療法による術後補助化学療法にweeklyパクリタキセルを追加した方がFAC療法単独よりも、無病生存期間(DFS)を有意に延長することが明らかとなった。GEICAM/2003-02試験の結果で、6月1日から5日にシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、スペインInstituto de Investigacion Sanitaria Gregorio MaranonのMiguel Martin氏らが発表した。

 いくつかの術後補助化学療法に関する試験の結果から、アントラサイクリン系抗癌剤にweeklyパクリタキセルを追加すると、手術可能なリンパ節転移陽性乳癌患者の転帰を改善することが分かっている。しかし現在、ほとんどの乳癌患者は診断時点ではリンパ節転移陰性であるため、weeklyパクリタキセルの役割はまだ十分に確立されていない。

 GEICAM/2003-02試験は、1998年St Gallenリスク分類による高リスク因子(グレード2-3、腫瘍サイズ2cm超、年齢35歳未満、ホルモン受容体陰性)を少なくとも1つ有し、リンパ節転移陰性、切除可能なT1-T3、N0と診断された18〜70歳の乳癌患者を対象とした。

 これらの条件を満たした1925人の患者を、FAC療法(第1日に5-FU 500mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500mg/m2を3週間ごとに投与)を6サイクル行うFAC単独群(974人、うち治療を完了したのは942人)と、FAC療法を4サイクル実施した後にパクリタキセル100mg/m2の週1回投与を8サイクル行うFAC+P群(951人、うち治療を完了したのは802人)に無作為に割り付けた。

 ベースラインの患者背景は両群でほぼ同様だった。年齢中央値はFAC単独群が50歳、FAC+P群が51歳、閉経率はそれぞれ51.5%、49.3%、乳房温存術は73.2%、72.1%、HER2陽性率は10.3%、10.0%だった。

 主要評価項目であるDFSに関しては、63.3カ月(中央値)追跡した結果、イベントがFAC単独群で100人、FAC+C群で73人発生し、ハザード比は0.733(95%信頼区間:0.542-0.992、p=0.0441)。また、60カ月時点のDFSはFAC単独群が90%、FAC+P群が93%だった。DFSイベントの内訳は、FAC単独群で乳癌再発68人、異なる癌の発症21人、その他の死亡11人、FAC+P群ではそれぞれ50人、21人、2人。

 副次評価項目の全生存期間(OS)については、イベントがFAC単独群で41人、FAC+C群で31人発生し、ハザード比は0.766(95%信頼区間:0.481-1.222、p=0.2636)だった。

 グレード3-4の血液毒性のうち、最も多く認められたのは両群とも好中球減少で、FAC単独群25.44%に対しFAC+P群は21.78%だった。このうち発熱性好中球減少はそれぞれ3.60%、2.75%に見られた。感染症はFAC単独群0.62%、FAC+P群2.54%と、FAC+P群において有意に多かった(p=0.00071)。

 グレード3-4の非血液毒性としてFAC+P群で有意に多かったのは、月経不順(p=0.00042)、倦怠感(p<0.00001)、感覚性ニューロパチー(p<0.00001)、血栓症/塞栓症(p=0.00468)など。ただし、いずれのレジメンも忍容可能と考えられた。
 
 治療中におけるグレード3-4の心臓関連の有害事象としては、FAC単独群においてグレード3の心筋梗塞が1人、グレード3の不整脈が1人、FAC+P群においてグレード3の心機能障害が2人、グレード4の心筋梗塞が1人、それぞれ発生した。一方、治療後はFAC単独群のみ発生し、心筋梗塞3人、不整脈2人だった。