局所進行前立腺癌患者に対する治療として、アンドロゲン遮断療法(ADT)と放射線療法(RT)の併用は、治療に関連する後期毒性はやや増加するものの、全生存期間(OS)および疾患特異的生存率(DSS)に有用性が得られることが、フェーズ3試験(NCICCTG PR3/MRC PR07/SWOG JPR3)の最終解析から明らかになった。6月1日から5日までシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、英Cardiff UniversityのMalcolm David Mason氏が発表した。

 局所進行前立腺癌では、ADTとRTの併用により、生存に有用性が得られることが報告されている。今回Mason氏らは、NCIC CTG PR3/MRC PR07/SWOG JPR3試験の最終解析の結果を報告した。

 対象は、局所進行前立腺癌(T3またはT4、N0またはNX)、限局性前立腺癌(T2かつPSA>40μg/L、またはT2かつPSA>20μg/LかつGleasonスコア8-10)のいずれかの患者。持続的ADTを行う群(ADT群)と持続的ADTとRTを併用する群(ADT-RT群)に、患者を無作為に割付けた。主要評価項目はOSだった。

 ADTでは、両側精巣摘除術またはLH-RHアゴニストの投与を行った。RTでは骨盤に45Gy、前立腺に20-24Gyを照射することとしたが、担当医師が全骨盤照射は不適当と判断した場合は前立腺のみに65-69Gyを照射した。

 1995年から2005年までに1205人が登録され、ADT群602人(年齢中央値70歳)、ADT+RT群603人(同)となった。両群の患者背景は同様で、T3/T4の患者が多くを占め、ADT群で89%、ADT+RT群で88%だった。Gleasonスコアが8-10の患者の割合は、ADT群、ADT+RT群でともに18%だった。PSAが20-50ng/mLと50ng/mLの患者の割合は、ADT群では38%と25%、ADT+RT群では38%と26%だった。
 
 2009年の中間解析では、7年OS率はADT群66%、ADT+RT群74%、ハザード比0.77で、7年間のDSSもそれぞれ79%、90%、ハザード比0.54となり、ADT+RT群で良好な結果だった(それぞれp=0.033、p=0.0001)。
 
 最終解析では、追跡期間中央値は8.0年で、10年OS率はADT群の49%に対し、ADT+RT群は55%となり、ハザード比0.70(95%信頼区間:0.57-0.85)で有意にADT+RT群で改善した(p=0.0003)。
 
 465人が死亡し、このうちADT群は260人、ADT+RT群は205人だった。死因では両群ともに前立腺癌が最も多く、ADT群で52%、ADT+RT群で32%だった。その他の死因では心疾患または脳卒中が多かった。

 10年間のDSSでも明確な差がみられ、ADT群15%、ADT+RT群26%、ハザード比0.46(95%信頼区間:0.34-0.61)だった(p<0.0001)。
 
 EORTC QLCによるQOLの評価では、治療開始から6-18カ月前後までは腸管や尿路の症状のスコアがADT+RT群でやや高かったが、3年後には両群に明らかな差はなかった。

 Mason氏は、「ADTとRTの併用は、局所進行性前立腺癌でRTが適当な患者に行われるべきと考える」と話した。