低リスクの非浸潤性乳管癌(DCIS)患者でも、乳房温存手術後に放射線療法を追加することで局所再発率が有意に低下することが、Radiation Therapy Oncology GroupによるRTOG 9804試験で明らかになった。米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのBeryl McCormick氏らが、6月1日から米国Chicagoで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で発表した。

 これまでの臨床試験で、DCISに対し乳房温存手術後に全乳房放射線照射を行うことで乳房内再発が抑制されることは報告されているが、低リスクのDCISに対する有効性は明らかでなかった。

 そこでRTOG 9804試験では、画像所見がなく、低もしくは中グレード(核グレード1-2)、腫瘍径2.5cm以下、断端距離3 mm以上の低リスク(good risk)患者を対象に、乳房温存手術後に放射線療法を行う群と行わない群(経過観察群)を比較した。

 1790人の患者登録を予定していたが、集積が進まず、1999年12月から2006年7月までに636人が登録した。適格患者は経過観察群で298人、放射線療法群で287人だった。放射線療法群には5週間で50Gyを基準に、42.5-50.4Gyが照射された。タモキシフェン(20mg/日)5年間投与は可能とし、最終的にタモキシフェンは62%で使用された。

 フォローアップ期間中央値は6.46年。患者の年齢中央値は両群とも58歳で、50歳以上が経過観察群で79.5%、放射線療法群で81.2%だった。両群とも白人が約8割を占めた。

 この結果、同側乳房内の再発(浸潤癌、非浸潤癌)は、経過観察群では15人(5%)だが、放射線療法群では2人(0.7%) であり、5年再発率は経過観察群では3.2%、放射線療法群では0.4%となった(ハザード比0.14、Gray’s test p=0.0022)。また同側乳房かつ同じ4分円内の再発は、経過観察群では12人(浸潤癌が4人、非浸潤癌が8人)だが、放射線療法群では0人だった。

 対側乳房内の再発は、経過観察群では8人、放射線療法群では11人で、5年再発率は経過観察群では1.9%、放射線療法群では3.0%となった(ハザード比1.46、Gray’s test p=0.42)。

 フォローアップ期間中の死亡は、経過観察群で14人、放射線療法群では18人で、全生存期間は2群間で有意な違いはなかった(ハザード比1.35、log-rank p=0.40)。

 急性期の非血液毒性は、グレード1/2の有害事象が、経過観察群は30%、放射線療法群では76%と多かったが、グレード3以上は両群とも4%だった。晩期の放射線療法による有害事象は、グレード1/2が34%、グレード3は0.7%であった。