進行非小細胞肺癌(NSCLC)でECOG PS 2の患者において、カルボプラチンとペメトレキセドの併用化学療法は、ペメトレキセド単剤による化学療法と比較して全生存期間(OS)を有意に改善し、毒性も受容可能であることが、多施設共同のフェーズ3試験の結果から示された。6月1日から5日までシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、米Cleveland Clinic FloridaのRogerio Lilenbaum氏が発表した。

 進行NSCLCでPS 2の患者に対する標準治療は定まっておらず、実臨床では支持療法から併用化学療法までが行われている。

 Lilenbaum氏らはPS 2の患者を対象として、単剤と併用の化学療法を比較する前向きのフェーズ3試験を実施した。試験の目的には、ブラジルで医師主導型の多施設共同臨床試験を行う研究基盤を開発することも含まれ、ブラジルの8施設と米国の1施設が参加した。

 対象は、IIIB/IV期のNSCLCでPS 2の化学療法未治療の患者。当初のプロトコールでは組織型を限定していなかったが、途中から非扁平上皮癌のみに変更した。対象を、ペメトレキセド500mg/m2を3週毎に投与するP群、ペメトレキセドを同量とカルボプラチンをAUC 5で3週毎に投与するCP群のいずれかにランダム化し、4サイクル繰り返した。全例にビタミンB12、葉酸、デキサメタゾンを投与した。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性だった。

 2008年4月から2011年7月までに217人が登録された。このうち12人は不適格と判断され、P群102人(男性58.8%、年齢中央値65歳)、CP群103人(同63.1%、65歳)となった。患者背景は両群で同様だった。両群ともIV期が約95%を占め、組織型が腺癌、扁平上皮癌、不明の割合は、P群ではそれぞれ80.4%、10.8%、4.9%、CP群では81.6%、2.9%、5.8%となった。

 治療サイクル数の中央値は両群ともに4、治療を完了したのはP群39%、CP群61%だった。治療の中止理由では、早期の死亡と進行、臨床症状の悪化を合わせると、P群では43%、CP群では26%となった。治療の遅延はCP群で多く44.7%、P群は20.6%だった。

 ITT解析におけるOS中央値はP群5.6カ月、CP群9.1カ月、ハザード比0.57(95%信頼区間:0.41-0.79)となり、CP群で有意に改善した(p=0.001)。1年OS率は、P群18%、CP群43%と2倍以上となった。

 PFS中央値は、P群3.0カ月、CP群5.9カ月、ハザード比0.46(95%信頼区間:0.34-0.63)で、CP群で良好な結果だった(p<0.001)。1年PFS率は、P群4%、CP群18%で、CP群で4倍以上となった。
 
 解析から扁平上皮癌患者を除外しても、同様の有用性が得られた。またOSは、高齢者、非喫煙者でも有意にCP群で改善した。
 
 奏効は、P群ではPR10.5%、SD42.6%、CP群ではCR2.5%、PR 21.5%、SD 60.8%となり、奏効率にも有意差がみられた(p<0.029)。
 
 セカンドライン治療に進んだのは、P群31%、CP群29.5%だった。薬剤では、P群ではカルボプラチン(31%)、CP群ではドセタキセル(30%)が多く使用された。

 有害事象では、グレード3以上の血液毒性の発現率は両群で有意差はなかった。貧血、好中球減少、発熱性の好中球減少の発現率は、P群でそれぞれ3.9%、1%、2.9%、CP群では11.7%、5.8%、1.9%だった。非血液毒性では呼吸困難が多くみられ、P群では10.8%、CP群では5.8%だった。CP群では4人に治療関連死があり、腎不全、敗血症、肺炎、血小板減少による死亡だった。