未治療の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)において、ペメトレキセドによるcontinuation maintenanceはハザード比0.78で全生存期間(OS)を有意に改善することが、多施設共同のフェーズ3試験(PARAMOUNT)のOSの最終結果で明らかになった。同試験では、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が有意に改善したことがすでに報告されている。6月1日から5日までシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、スペインUniversity Hospital Virgen del RocioのLuis Paz-Ares氏が発表した。

 PARAMOUNT試験の対象は、未治療、ECOG PS0/1、IIIB/IV期の非扁平上皮NSCLC患者。ペメトレキセドとシスプラチンによる導入療法でSD以上の効果が得られた患者に、ペメトレキセドによるcontinuation maintenanceを行い、プラセボとの比較でPFSのハザード比は0.62(95%信頼区間:0.49-0.79)となったこと(p<0.0001)が既に報告されている。今回の発表ではOSの最終的なデータが発表された。

 導入療法では21日を1サイクルとして、ペメトレキセド500mg/m2とシスプラチン75mg/m2を1日目に投与し、4サイクル施行した。導入療法でSD以上の効果が得られたPS 0/1の患者を、21日を1サイクルとしてペメトレキセド500mg/m2を1日目に投与しBSCと併用する群(ペメトレキセド群)、またはプラセボとBSCを併用する群(プラセボ群)に2対1でランダム化した。投与は進行(PD)まで継続し、全例にビタミンB12、葉酸、デキサメタゾンを投与した。
 
 維持療法の対象は、ペメトレキセド群359人(男性56%、年齢中央値61歳)、プラセボ群180人(同62%、62歳)となった。患者背景は両群で同様であった。IV期はペメトレキセド群で91%、プラセボ群で90%、腺癌はそれぞれ86%と89%を占めた。導入療法でCRまたはPR、SDが得られた患者は、ペメトレキセド群でそれぞれ44%と53%、プラセボ群で42%と53%だった。

 維持療法のサイクル数中央値は両群とも4サイクルだったが、平均値ではペメトレキセド群7.9サイクル、プラセボ群5.0サイクルだった。6サイクルを超える投与はペメトレキセド群の37%、プラセボ群の18%に行われた。ペメトレキセド群では、予定された平均用量のdose intensityは93.7%となった。追跡期間中央値は全対象で12.5カ月、全生存者では24.3カ月となった。投与中止の理由では「進行」がペメトレキセド群69%、プラセボ群84%で最も多かった。
 
 ランダム化からの最終的なOS中央値は、ペメトレキセド群13.9カ月、プラセボ群11カ月、ハザード比は0.78(95%信頼区間:0.64-0.96)となり、ペメトレキセド群で有意に改善した(p=0.0195)。導入療法の開始からのOS中央値は、ペメトレキセド群16.9カ月、プラセボ群14.0カ月であった。両群の生存曲線は6カ月以降に差が開き始め、1年生存率、2年生存率はペメトレキセド群でそれぞれ58%、32%、プラセボ群でそれぞれ45%、21%だった。

 導入療法からのOS中央値は、ペメトレキセド群16.9カ月、プラセボ群14.0カ月、ハザード比は0.78(95%信頼区間:0.64-0.96)だった。サブグループ解析でもすべての項目でペメトレキセドの有用性が示された。導入療法からのOSのハザード比は、CRまたはPRで0.81(同:0.59-1.11)、SDで0.76(同:0.57-1.01)となり、SDでもCR/PR例と同様の効果がみとめられた。

 最終的なOSの時点でランダム化からのPFSを再評価すると、ハザード比は0.60(95%信頼区間:0.50-0.73)となった。

 後治療を受けた患者は、ペメトレキセド群64%、プラセボ群72%となり、使用された薬剤ではエルロチニブが最も多く、それぞれ40%と43%、ドセタキセルは32%と43%に投与された。

 治療に関連すると考えられるグレード3以上の有害事象でペメトレキセド群に多く発現したのは、貧血が6.4%、好中球減少が5.8%、疲労感が4.7%だった。プラセボ群ではそれぞれ0.6%、0%、1.1%だった。 

 Paz-Ares氏は最後に「PARAMOUNT試験はcontinuation maintenanceが進行NSCLCの経過に影響を与えることを示した初の試験であり、治療パラダイムを変える根拠となる」と述べた。