アルブミン結合パクリタキセルであるnab-パクリタキセルとゲムシタビンカペシタビンの併用(AGXレジメン)は、転移のある進行膵癌に対して忍容性があるが、用量を再検討する必要があることが、フェーズ1試験の結果から示された。6月1日からシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、 米University of CaliforniaのThach-Giao Truong氏が発表した。

 進行膵癌に対して、ゲムシタビン単独投与に比べ、ゲムシタビンにフルオロピリミジン系抗癌剤などを併用すると予後が改善する可能性が示唆されている。一方、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルの併用は膵癌に有効である可能性が示唆されている。

 そこでTruong氏らは、GTXレジメン(ゲムシタビン+ドセタキセル+カペシタビン)を応用し、ゲムシタビン+nab-パクリタキセル+カペシタビンを併用するAGXレジメンについて評価する目的でフェーズ1試験を行った。

 nab-パクリタキセル(day4投与)は100mg/m2、ゲムシタビン(day4投与)は750mg/m2、カペシタビン(day1-7投与)は750mg/m21日2回とし、14日間を1サイクルとして投与した。nab-パクリタキセルは125、150mg/m2へと増量、ゲムシタビンは1000mg/m2へと増量、カペシタビンは1000mg/m2へと増量する最大耐用量(MTD)の試験デザインで行った。

 用量制限毒性は、最初の28日間での、グレード3/4の好中球減少、発熱性好中球減少、グレード4の血小板減少、グレード2-4の手足皮膚反応、神経障害、下痢、グレード3.4の非血液学的毒性とした。

 登録された患者は15例で、年齢62歳、ECOG PSは0が10例、1が5例、登録時CA19-9高値例は12例だった。

 本試験を中止した理由は、8例が病勢進行、3例がCA19-9の上昇による進行、2例が毒性で、16サイクル後の休薬、1サイクル投与後に保険が認められなかった例がそれぞれ1例ずつだった。

 用量制限毒性の評価の結果、nab-パクリタキセル100mg/m2、ゲムシタビン750mg/m2、カペシタビン750mg/m21日2回投与が最大耐用量と考えられた。

 主なグレード3/4の有害事象は、貧血、好中球減少、アレルギー反応、肝機能異常、倦怠感、高血糖、丘疹、悪心・嘔吐、掻痒、血栓性イベントが1例ずつだった。

 14例を対象に有効性について検討した結果、RECIST基準による部分奏効が2例、CA19-9が50%以上減少したのは12例中6例、進行までの期間中央値は4.5カ月、生存期間中央値は7.5カ月、6カ月生存率は71.4%、1年生存率は28.6%だった。

 これらの結果から、Truong氏は、「AGXレジメンは忍容性が高いが、これまでの報告と比較してnab-パクリタキセルの用量強度が低く、用量の再検討が必要である」とした。