1レジメン以上の化学療法を受けた経験のあるALK遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し、ALK阻害薬クリゾチニブは良好な安全性プロファイルを維持し、奏効率は60%、治療奏効期間も長く、無増悪生存期間中央値は8.1カ月であることが明らかになった。世界規模で実施されたフェーズ2試験、PROFILE 1005のアップデート解析の結果示されたもの。成果は6月1日から5日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、韓国Seoul Naional UniversityのD-W Kim氏によって発表された。

 2012年1月2日のデータカットオフ時点で、PROFILE 1005試験には22カ国141施設から、FISH法によりALK遺伝子の転座が確認された患者901人が登録された。対象となったのは、18歳以上のALK遺伝子再構成陽性の進行NSCLC患者のうち、1レジメン以上の化学療法を受けても病状が進行した患者。クリゾチニブは250mgを1日2回、毎日経口投与され、21日を1サイクルとした。効果の判定は6週おきにRECIST基準で行い、安全性については3週おきに評価した。901人中261人のデータが解析に利用された。

 261人の年齢中央値は52.0歳(24.0-82.0)で、女性が54.4%。白色人種が59.0%、アジア人が36.0%だった。非喫煙者が67.4%、禁煙者が28%、喫煙者が4.6%と、非喫煙者が多かった。また、腺癌が93.9%と大半を占めていた。

 前治療のレジメン数は、1回が12.3%、2回が34.9%、3回以上が52.8%だった。

 抗腫瘍効果は259人で評価可能で、完全奏効(CR)が4人(1.5%)、部分奏効(PR)が151人(58.3%)、病勢安定(SD)が69人(26.6%)で、客観的奏効率は59.8%(95%信頼区間:53.6-65.9)と中間報告時点より上昇していた。奏効期間の中央値は45.6週(35.3-53.6)で中間報告時点よりも良かった。効果の得られた患者155人のうち110人(71%)は最初の8週以内で効果が認められた。効果が得られるまでの時間の中央値は6.1週(4.9-49.1)だった。PFS中央値は8.1カ月(95%信頼区間:6.8-9.7)だった。

 治療関連の有害事象の大半は胃腸系と視覚関連のもので、グレード1、2であった。グレード3以上の治療関連の有害事象は25.6%の患者で報告され、多かったのは好中球減少症(5.5%)、ALT上昇(4.0%)、倦怠感(2.0%)だった。

 患者の症状報告では咳、倦怠感、呼吸困難、胸痛、腕と肩の疼痛緩和が認められた。全体としてのQOL改善効果も認められた。