未治療進行性膵癌患者に対するエルロチニブ+ゲムシタビン+アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリタキセル)の3剤併用療法のフェーズ1b試験の結果から、それぞれを単剤投与する際の用量での併用では忍容性が低いことが明らかとなった。しかし、部分奏効や病勢安定が多く得られており、減量したレジメンでの評価に期待がかかる結果となった。

 6月1日から米国シカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、New York University Medical CenterのLawrence P Leichman氏が発表した。

 局所進行・転移性膵癌に対し、ゲムシタビンとエルロチニブの併用はゲムシタビン単剤投与と比べ生存期間を延長することが報告されている。また、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルの併用療法は進行膵癌に対し有効である可能性が示されている。

 そこで、Leichman氏らは、未治療進行性膵癌患者に対するエルロチニブ+ゲムシタビン+nab-パクリタキセルの3剤併用療法の安全性と有効性を予備評価するため、フェーズ1b試験を行った。

 試験の主要評価項目は、3剤併用療法における最大耐用量(MTD)、副次評価項目は用量制限毒性(DLT)と有害事象、奏効率(RR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)。

 対象は、18歳以上で、ECOG PSが0-1、未治療の局所進行性もしくは転移性の膵癌患者。ゲムシタビンとnab-パクリタキセルは1、8、15日目に投与する1サイクル28日間とし、エルロチニブは1日1回投与で、1サイクル28日とした。投与量はゲムシタビン1000mg/m2、nab-パクリタキセル125mg/m2、エルロチニブ100mgとし、nab-パクリタキセル、エルロチニブを減量するものとした。

 用量制限毒性(DLT)は、グレード3以上の非血液学的毒性、治療関連の発熱性好中球減少症、グレード3以上の感染症、要輸血または出血関連のグレード3以上の血小板減少症などとした。治療前と2サイクルの治療ごとに、CT撮影による評価を行った。

 19人が登録され、合計62サイクルの治療が行われた(範囲:0-11)。患者背景は、男性9人、40-64歳が11人、65歳以上が8人、ECOG PSが0だったのは7人、1だったのは11人。転移性膵癌が12人、局所進行性膵癌が7人だった。放射線治療歴のある患者は1人のみで、手術歴がある患者は9人だった。

 試験の結果、6人の患者において8つのDLTが確認された。ゲムシタビン1000mg/m2、nab-パクリタキセル125mg/m2、エルロチニブ100mgの用量においてグレード3の下痢とグレード4の好中球減少、グレード3の好中球減少が見られた。nab-パクリタキセルを100mg/m2に減量した場合では、グレード3の好中球減少や試験中の多くの用量不達が見られた。さらにnab-パクリタキセルを75mg/m2まで減量した場合では、グレード3の食道炎と疲労、グレード3のトランスアミナーゼ上昇だった。

 グレード3、4の主な有害事象は、好中球減少症(52.6%)、脱水(21.1%)、白血球減少症(21.1%)、血小板減少症(15.8%)、下痢(15.8%)だった。12例が重篤な有害事象を経験し、主な有害事象は脱水(21.1%)、便秘、下痢、悪心、疲労、呼吸困難、低血圧(それぞれ10.5%)などだった。

 有効性については、14人で評価可能だった。部分奏効は42.9%(6人)、病勢安定は35.7%(5人)、病勢進行は14.3%(2人)だった。14例のPFS中央値は5.3カ月、OS中央値は9.3カ月だった。