再発または切除不能な進行性胆道癌において、ゲムシタビンとS-1を併用するGS療法は、S-1単剤療法よりも1年生存率が高いことが明らかになった。また、原発部位が胆嚢だと1年生存率が低くなることも分かった。これらは、日本臨床腫瘍研究グループが行った無作為化フェーズ2試験(JCOG0805)の結果示されたもの。6月1日から5日にシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、研究グループを代表して神奈川県立がんセンター消化器内科の上野誠氏が発表した。

 現在、進行性胆道癌では、ゲムシタビンとシスプラチンを併用するGC療法が標準治療となっている。また、GS療法とS-1単剤療法はいずれも胆道癌に対し有効であることが報告されている。今回のフェーズ2試験では、GS療法とS-1単剤療法の有効性・安全性を評価するとともに、次のフェーズ3試験で用いるレジメンをどちらにするか主要評価項目である1年生存率によって決定することとした。

 再発または切除不能な進行性胆道癌患者101人を登録した。原発部位別に見ると、胆嚢癌38人、肝内胆管癌35人、肝外胆管癌20人、ファーター乳頭部癌8人。主な登録条件は、化学療法もしくは放射線療法による治療を受けたことがない、ECOG PSが0-1、十分に経口摂取可能、20〜79歳など。この101人の患者をGS群(51人、66歳)とS-1単剤群(50人、62.5歳)に無作為に割り付けた。

 GS群では3週間を1サイクルとし、ゲムシタビン1000mg/m2を第1日と第8日に投与し、S-1は体表面積に応じて60mg/日、80mg/日、100mg/日を第1日から第14日まで投与した。S-1単剤群では6週間を1サイクルとし、S-1を体表面積に応じて80mg/日、100mg/日、120mg/日を第1日から第28日まで投与した。

 主要評価項目の1年生存率は、GS群が52.9%(95%信頼区間:38.5-65.5)に対しS-1単剤群が40.0%(同:26.5-53.1)と、GS群の方が優れていた。全生存期間(OS)の中央値は、GS群が12.5カ月(同:9.0-15.4)、S-1単剤群が9.0カ月(同:7.3-12.7)で、ハザード比は0.86(同:0.54-1.36、p=0.52)だった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は、GS群が7.1カ月(95%信頼区間:5.7-8.6)、S-1単剤群が4.2カ月(同:2.5-5.0)で、ハザード比は0.44(同:0.29-0.67、p<0.0001)と、GS療法により有意に延長した。

 抗腫瘍効果については、評価が可能だった患者90人で見ると、完全奏効(CR)はいずれの群もなく、部分奏効(PR)はGS群36.4%、S-1単剤群17.4%だった。

 また、原発部位別に見ると、胆嚢はGS群19人、S-1単剤群19人、胆嚢以外の部位はそれぞれ32人、31人だった。OS中央値は、GS群だと胆嚢は11.7カ月、胆嚢以外は15.0カ月、S-1単剤群だとそれぞれ6.5カ月、14.3カ月。PFS中央値は、GS群では5.9カ月、8.5カ月、S-1単剤群では3.3カ月、4.4カ月だった。抗腫瘍効果のPR率は、胆嚢ではGS群12.5%、S-1単剤群16.7%、胆嚢以外では50.0%、17.9%と、いずれも胆嚢以外の方が有効性は高かった

 グレード3/4の有害事象としては、血液毒性がGS群でより多く認められた。好中球減少がGS群で60.8%だったのに対し、S-1単剤群では4.0%、白血球減少は29.4%対2.0%、ヘモグロビン減少は11.8%対4.0%、血小板減少は11.8%対4.0%だった。その他、倦怠感がGS群7.8%に対しS-1単剤群4.0%、皮疹がそれぞれ9.8%、2.0%認められた。

 重篤な有害事象については、30日以内の死亡がGS群で3人、S-1単剤群で1人だった。30日以降の治療関連死は両群ともなかった。グレード4の非血液毒性がGS群は1人(低ナトリウム血症)、S-1単剤群は2人(AST上昇、心筋梗塞)であった。

 これらの結果を踏まえ、再発もしくは切除不能の胆道癌を対象とし、GC療法に対するGS療法の非劣性を検証するフェーズ3試験(JCOG1113)が計画されている。