切除可能な膵管腺癌に対するゲムシタビンnab-パクリタキセルによる術前療法は忍容性があり、病理学的奏効やR0切除の観点から有効である可能性が示された。6月1日からシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、スペインCentro Integral Oncologico Clara CampalのRafael Alvarez-Gellogo氏が発表した。

 アルブミンを結合させたパクリタキセルであるnab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用は、nab-パクリタキセルが腫瘍の間質を減らし、血管新生を促し、ゲムシタビンが腫瘍に到達しやすくなることが前臨床研究で明らかとなっている。

 フェーズ1/2試験では、nab-パクリタキセル+ゲムシタビンの奏効率は48%、1年生存率は48%、生存期間中央値は12.2年であることが示された。

 そこで本検討では、nab-パクリタキセル+ゲムシタビン投与後の腫瘍間質密度、血管新生などを生検で評価するとともに、nab-パクリタキセル+ゲムシタビンを投与されていない患者と比較して、コラーゲンや線維芽細胞の変化を評価した。

 治療レジメンは、手術前に、ゲムシタビンは1000mg/m2、nab-パクリタキセルは125mg/m2を、1日目、8日目、15日目に投与する28日間のサイクルを2回行った。

 16人が登録され、年齢中央値は57.8歳、男性10例で、ECOG PSは0が6例、1が10例、頭部が14例で、体部、尾部がそれぞれ1例ずつだった。

 16例中15例が治療を完遂し、治療期間後のCTによる評価の結果、病勢進行例は3例、病勢安定/部分奏効例は13例だった。手術可能だったのは12例で、11例がR0切除が可能だった。術後の評価で、11例中2例は膵内分泌腫瘍で、9例は膵管腺癌だった。

 未治療あるいは化学放射線療法を受けた患者の試料と比較して、ゲムシタビン+nab-パクリタキセル投与を受けた患者の試料では、腫瘍周辺の繊維性コラーゲンマトリックス量が減少していた。

 グレード3/4の有害事象は、好中球減少が18%、血小板減少が12.5%、トランスアミナーゼ上昇が6.2%だった。

 これらの結果からGellogo氏は、ゲムシタビン+nab-パクリタキセルの膵癌に対する術前投与は有効で、病理学的奏効が期待でき、R0切除の期待も高まるとした。