他剤治療歴のある転移性大腸癌患者に対する2次治療としてFOLFIRIにafliberceptを追加することで全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)がいずれも有意に延長することを示したフェーズ3試験、VELOURのサブグループ解析の結果、aflibercept+FOLFIRIにベバシズマブ前投与を追加しても、OSおよびPFSの上乗せ延長効果はなく、安全性プロフィールも改善されないことが示された。6月1日から米国シカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、米University of FloridaのC.J. Allegra氏が発表した。

 このサブグループ解析は、FOLFOX4へのベバシズマブ追加がOS、PFSをいずれも有意に改善した他試験の結果などを考慮して、VELOUR試験の開始に際して当初から計画されていたもの。

 VELOUR試験では、612人をaflibercept+FOLFIRI併用群に割り付け、614人をプラセボ+FOLFIRI群に割り付けた。このうちベバシズマブ前投与を受けていた患者は、aflibercept+FOLFIRI群の186人、プラセボ+FOLFIRI群の187人だった。ベバシズマブ前投与期間の中央値はどちらのサブグループでも6カ月であり、ベバシズマブ投与後の非投薬期間の中央値はいずれも2カ月だった。

 治療内容とベバシズマブ前投与の有無によって層別化した4つのサブグループ間で、年齢中央値、性別比、ECOGスコア、転移臓器の数といった患者背景について差は見られなかった。

 OSをベバシズマブ前投与の有無別に比較したところ、ベバシズマブを前投与したaflibercept+FOLFIRI群のOS中央値は12.5カ月、プラセボ+FOLFIRI群では11.7カ月だった。一方、ベバシズマブを前投与しなかったaflibercept+FOLFIRI群(426人)のOS中央値は13.9カ月、プラセボ+FOLFIRI群(427人)では12.4カ月であり、どちらの治療群でもベバシズマブ前投与によるOSの上乗せ延長効果はなく、aflibercept+FOLFIRI投与とベバシズマブ前投与との間に有意な相互作用は認められなかった(p=0.57)。

 PFSについても同様に、ベバシズマブ前投与例におけるPFS中央値は、aflibercept+FOLFIRI群で6.7カ月、プラセボ+FOLFIRI群で3.9カ月、ベバシズマブ非投与例ではそれぞれ6.9カ月、5.4カ月であり、PFSの上乗せ延長効果はなく、aflibercept+FOLFIRI投与とベバシズマブ前投与との間に有意な相互作用も認められなかった(p=0.2)。

 奏効率は、ベバシズマブ前投与を受けたaflibercept+FOLFIRI群で11.7%、プラセボ+FOLFIRI群で8.4%、ベバシズマブ非投与例ではそれぞれ23.3%、12.4%であり、ベバシズマブ追加による奏効率の改善は示されなかった。

 治療と関係のある重大な有害事象の発生率は、ベバシズマブ前投与を受けたaflibercept+FOLFIRI群で52%、プラセボ+FOLFIRI群で32%だったのに対して、ベバシズマブ非投与例ではそれぞれ33%、47%だった。グレード3/4以上の有害事象の発生率、投薬中止を招いた有害事象の発生率についても、ベバシズマブ前投与の有無別に差はみられなかった。

 Allegra氏は以上の結果から、「今回のサブグループ解析では、転移のある大腸癌患者に対するFOLFIRI+afliberceptの併用は、ベバシズマブ前投与の有無とは関係なく、OSおよびPFSを延長する傾向があることが実証された。また、ベバシズマブ前投与はafliberceptの安全性プロフィールにも影響を及ぼさなかった」と結論した。